日比経済委員会（筆頭代表世話人＝小林健・三菱商事(株)取締役会長）は３月９日、名古屋大学大学院国際開発研究科で准教授を務める日下渉氏を講師に迎え、委員企業ならびにフィリピン日本人商工会議所会員企業を対象に、「なぜ今「権威主義ノスタルジー」なのか？フィリピン大統領選挙から社会変容を読み解く」をテーマとしたオンラインセミナーを開催し、５５名が参加した。

今年５月の大統領選挙に向け、同国では２月より選挙戦が繰り広げられており、セミナーでは、同国における選挙の特徴や、今回の選挙戦経緯と候補者について紹介するとともに、各候補者の支持率動向や、ソーシャルメディアの活用状況をはじめ、半数が若年層である同国有権者の特徴、現在優勢が伝えられているボンボン・マルコス氏が大統領となった場合の政権の見通し等について講演いただいた。

質疑応答では、有力候補であるマルコス氏の経済政策や中国に対する姿勢、独裁者だったマルコス氏の父親に対する国民の評価や学校での教育内容、また、予想される現ドゥテルテ政権との違いや日本企業がとるべき対応、現大統領の退任後の次期政権への影響力についてなど、多くの質問が参加者より寄せられ、丁寧に回答いただいた。

本講演を主催した日比経済委員会は、フィリピンの投資・ビジネス環境に関する情報収集や調査・研究、当該国の政府・経済界との交流を目的に活動している。比日経済委員会（PHILJECC）との合同会議を毎年開催するなど、現地との交流を図っている。

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