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企業向け新型コロナウイルス対策情報  第51回 新型コロナウイルスワクチン接種後の発熱・かぜ症状

2021年8月2日
東京商工会議所

東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。

本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作成し、和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。

健康経営倶楽部マガジン臨時号                2021/08/02
                     東京商工会議所 ビジネス交流部
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         企業向け新型コロナウイルス対策情報
   第51回 新型コロナウイルスワクチン接種後の発熱・かぜ症状
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※健康経営倶楽部マガジンの臨時号として、新型コロナウイルスの感染拡大防
止に向けて、企業での取り組みに活用できる情報を、ご登録の皆様に不定期に
配信しています。

【下記コンテンツについて】
産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

経営者・総務人事担当者のみなさま、職域接種が開始され、自治体の集団接種
でも65歳未満の労働世代への新型コロナウイルスワクチン接種が開始されました。
ワクチン接種後に発熱・かぜ症状が出た方への対応方針は定めているでしょうか?

1.課題の背景:
 第49回では、のどの痛み、せき、息切れ、発熱、寒気、筋肉痛・関節痛、嘔吐
 ・下痢、味覚や嗅覚の消失の1つでも症状が出たら、出勤・外出や人に会うこ
 とを避け、医療機関の受診を検討するように提言しました。これらの症状は
 新型コロナワクチン接種後の副反応でも生じることがありますが、ワクチン
 接種後だから副反応とは言い切れず、新型コロナウイルス感染も念頭に対応
 する必要があります。

2.企業でできる対策:
〇ワクチン接種後であっても、発熱・かぜ症状の出た場合は出勤を見合わせる
〇ワクチン接種後の副反応にも対応した、職場復帰の条件を再整理する

1)ワクチン接種後であっても、発熱・かぜ症状が出た場合は出勤を見合わせる
 ワクチンによる発熱やかぜ症状は通常(接種日を含めて)3 日以内に発生し、
 その多くは 1~2 日以内に消失します。これらの症状はワクチンの副反応に
 よるものなのか、それとも新型コロナウイルス感染症によるものかを区別す
 るのは困難です。
□ワクチン接種後であっても、発熱・かぜ症状が出た場合は出勤を見合わせる。

2)ワクチン接種後の副反応にも対応した、職場復帰の条件を再整理する。
 第3回では発熱者の職場復帰時期の目安を「発症後8日経過かつ、すべての症
 状がなくなってから72時間経過後」と提言しましたが、2回目の接種後には40%
 程度の方に発熱の副反応が生じる可能性があり、この条件をそのまま適用する
 と、多くの方が長期間出勤できなくなってしまいます。
 日本渡航医学会と日本産業衛生学会が合同で公開している新型コロナウイルス
 感染症対策ガイドで示された、ワクチン接種後の副反応にも対応した、職場復
 帰の条件を紹介します。

①発熱に加えて、咳、息切れ、鼻水、のどの痛みや味覚・嗅覚の異常を伴う場合
 咳、息切れ、鼻水、のどの痛み、味覚嗅覚の異常はワクチン接種後の副反応で
 は生じないため、新型コロナウイルス感染の可能性を念頭に置き対応します。
 (詳細は第3回参照)
□「かかりつけ医・最寄りの医療機関」もしくは「自治体が設置する新型コロナ
 ウイルス受診相談窓口等」に相談し、受診および新型コロナウイルスの検査を
 受けるよう勧める。その結果に基づき、職場復帰へのアドバイスを受けること。
□新型コロナウイルス感染症と診断されなかった場合でも、症状消失後72時間経
 過後に職場復帰が望ましい。(偽陰性の可能性があるため)
□受診しなかった場合、発症後8日経過かつ、解熱後72時間経過後に職場復帰を
 目安とする。

②発熱のみ、および発熱にだるさ、頭痛、悪寒、筋肉痛(1以外の症状)を伴う場合
 これらの症状はワクチン接種後の副反応でも生じうる症状であり、2日以内に
 消失すれば副反応である可能性が高いため、以下の条件をいずれも満たす状態
 で職場復帰させる。
□業務ができる体調まで回復している。
□解熱剤を8時間以内に服用していない状態で解熱している。
□咳、息切れ、鼻水、のどの痛み、味覚・嗅覚異常がない。
□2日以内に回復している。
※3日以上症状が継続する、咳、息切れ、鼻水、のどの痛み、味覚・嗅覚異常が出
 現した場合には、①の対応を行う

③発熱はないが、咳、息切れ、鼻水、のどの痛み、味覚・嗅覚異常がある場合
□①の対応を行う。

④発熱はないが、だるさ、頭痛、悪寒や筋肉痛など(3以外の症状)がある場合
□14日以内に新型コロナウイルス感染者と濃厚接触がなければ出勤可能。


図(参考資料6) ワクチン接種後に発熱、風邪症状が生じた際の対応フロー

【文責】守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

OHサポート株式会社(代表/産業医 今井 鉄平)では、経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者に拡散をお願いします。

また、動画配信も行っております。参考情報リンク参照。

※本情報配信に関するご意見・ご要望は、こちらまでお寄せください。
covid-19@ohsupports.com

※これまでに配信しましたバックナンバーは、参考情報リンク参照。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

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