ニュースリリース

ニュースリリース イメージ画像

企業向け新型コロナウイルス対策情報 第11回 葬儀業者における感染対策

2020年5月7日
東京商工会議所

東京商工会議所では、新型コロナウイルスが感染拡大する中、企業での対策に活用できる情報として、産業医有志グループ(※)より提供される「企業向け新型コロナウィルス対策情報」を配信(不定期)しております。

※本対策情報は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)が作成し、厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けたものです。詳細は本ページ下部の「文責」をご覧ください。

経営者・総務人事担当者のみなさま、ご遺体を取り扱う従業員の感染防止、葬儀での3密解消のための対策は取れていますか?改めて見直しましょう。


1.課題の背景

新型コロナウイルス感染確定例の場合、非透過性納体袋に密封して搬送するなどの手順が決められています。しかし、自宅で亡くなって死因がはっきりしない例など、新型コロナウイルスに感染した可能性が考えられるご遺体を取り扱う従業員の不安も大きくなっていると思われます。
また、葬儀は大人数が多方面から参集し、会話や飲食も伴うため、3密となりやすく、集団感染リスクが高いシチュエーションです。


2.企業でできる対策

○死因不明のご遺体の搬送作業時は、接触感染対策を標準的に行う

○葬儀では、3密を避ける対策を提案・実施する

1)ご遺体に関する情報を得る

 厚生労働省は、新型コロナウイルスにより亡くなられた方及びその疑いがある方(検査中の方など)のご遺体の引渡しの際、医療機関等に対し、ご遺体が新型コロナウイルス感染症の病原体に汚染され又は汚染された疑いのある場合、感染拡大防止の観点から、ご遺体の搬送作業及び火葬作業に従事する者にその旨の伝達の徹底を依頼しています(本メルマガ下部<関連情報リンク>1・2参照)。
 医療機関等からできるだけ死因に関する情報を得るようにします。

2)非透過性納体袋に収容・密封されているご遺体の搬送作業時
  (本メルマガ下部<関連情報リンク>3・4参照)

 新型コロナウイルス感染例(またはPCR検査中)のご遺体の搬送や火葬に際しては、医療職により全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望ましいとされています。その場合、特別の感染防止策は不要です。

 □ご遺族や医療職との対面時は、咳エチケットとしてマスク(ガーゼ、布マスク可)を着用し、できるだけ対人距離2mを保つ。

 □ご遺族の意向にも配意しつつ、極力そのままの状態で火葬するように努める
  (死化粧、エンゼルケア、エンバーミングは避ける)。

3)非透過性納体袋に収容・密封されていないご遺体の搬送作業時

 感染拡大期における死因不明の症例には、新型コロナウイルス感染もありうることを念頭においた対策が必要です。また、新型コロナウイルス感染例で資材不足などのため非透過性納体袋に収容・密封されない場合も同様の対策となります。

 □ご遺族や医療職との対面時は、咳エチケットとしてマスク(ガーゼ、布マスク可)を着用し、可能な限り対人距離2mを保つ。

 □ご遺体に触れる者は、接触感染防止のため使い捨て手袋の着用を行う。

 □血液・体液・分泌物・排泄物などが顔や目、衣服に飛散するおそれのある場合は、不織布製マスク、使い捨ての長袖ガウン、眼の防護(フェイスシールド又はゴーグル)を追加する。

 □ご遺体に触れた時などには、手袋を外した後に流水・石けんによる手洗い又はアルコール消毒を行う。

 □使用した手袋など防護具は、使い捨て、または、再利用するものは適切な消毒を行う。

 □ご遺体を安置した場所は、可能であれば次亜塩素酸ナトリウムまたはアルコールによる拭き取り消毒を行う。

 □布団や枕カバーは、80℃・10分以上の熱湯消毒をしてから通常の洗濯を行う。

4)葬儀における3密を避ける工夫

 ご遺族の意向を尊重しつつ、3密を避ける対策を提案します。

 □ご遺族との対面時は、咳エチケットとしてマスク(ガーゼ、布マスク可)を着用し、可能な限り対人距離2mを保つ。

 □事前の打ち合わせなどは、可能な限りメール、Webミーティングなどで代替する。

 □葬儀はご遺族のみで行い、後日お別れ会を計画するなど、葬儀の参加人数を絞る。
  (参列できない方向けに動画撮影を行う例もある)

 □重症化リスクの高い方(高齢者など)の参列は、避けるか、通夜の前後で時間をずらすことを勧める。

 □会場での飲食(通夜振る舞いなど)は、取りやめるか持ち帰りできるようにする。

 □参列者全員がマスク(ガーゼ、布マスク可)を着用し、可能な限り対人距離を取る。

 □会場の出入口や窓を開放するか、30分に1回以上の頻度で換気を行う。

 □参列前後の手洗いを呼び掛ける
(アルコール手指消毒剤が用意できれば出入口に設置する)。

 □参列者がご遺体に直接触れることは極力避ける。触れる場合は使い捨て手袋を着用し、触れた後は流水・石けんによる手洗い又はアルコール消毒を行う。


<関連情報リンク>

本ページ下部リンク(1)~(5)

【文責】守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。
 厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

OHサポート株式会社では、経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信しています。
本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者・総務担当者の方に拡散をお願いします。

また、動画配信も順次行っております。
※上部のリンク(6)をご覧ください。

※これまでに配信しましたバックナンバーは、上部のリンク(7)をご覧ください。
※本内容に関するご意見・ご要望は、下記までお寄せください。
 covid-19@ohsupports.com

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
ビジネス交流部 会員交流センター
TEL 03-3283-7670
FAX 03-3211-8278