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勇気ある経営大賞

受賞企業紹介

※企業概要は受賞当時(2017年)の内容です。

第15回 特別賞

株式会社ワキュウトレーディング

新着情報
2022.10.11
NHK「あさイチ」マッシュルーム特集が放映されました。
代表者名
代表取締役社長 高橋 和久
所在地
東京都町田市中町4-24-17
創業
1995年(平成7年)
従業員数
8人
資本金
1,000万円
事業の
概要
マッシュルーム専門商社
ホーム
ページ
https://waq.jp/
受賞理由

●まだ国内のマッシュルームの生産量も流通量も少ない中、試食販売やレストランへのメニュー提案を通じて市場を拡大。さらに欧州のマッシュルーム栽培技術を用いて国内生産農家への技術指導を行い、品質向上、生産量増大に挑戦して業績を拡大させたこと。

企業紹介

美味しさを多くの人に。
きのこを信じ抜く「勇気」。

生産現場から消費者まで、「All for マッシュルーム」

 当社は、マッシュルームを専門に扱う商社です。95年当時、マッシュルームの国内生産量は茸類全体の0.7%。市場での存在感は無いも同然の時代でした。
創業の動機は、当時勤務していた外食産業の海外赴任先で「きちんと管理されたマッシュルーム」を初めて食べ、あまりの美味に衝撃を受けたからです。この魅力をきちんと伝えられれば、未開拓の市場でシェアが取れるのでは、そして市場自体を拡大できるのでは。
そう考え、独立に踏み切りました。

 当時、マッシュルームは缶詰でのイメージが強く「味が無い」「使い方がわからない」という声が大半。『野菜売り場の品数を揃えるため』の存在でした。そこで市場の開拓、マッシュルームの美味しさの普及活動に取り組みました。エプロンをつけ、毎日スーパーで試食販売を敢行。味が伝われば、使い方がわかれば消費は伸びると確信していたからです。バックヤードでパートの方々に『美味しい!』と絶賛され、その勢いで店頭に立ちました。やがて、1日1~2パックしか売れなかったものが800パック売れる日が出るなど、潮目が大きく変わってきたのです。試食販売を行った01年から06年の間、当社の年商は約2.5倍に伸びました。

 一方で、当時は国内生産者の機械や設備も旧式の所が多く、お世辞にも生産性が高いとは言えない状況でした。そこで、マッシュルーム栽培の先進国・オランダをはじめヨーロッパの最新農場を足かけ7年かけて視察。「日本のマッシュルーム栽培技術はオランダから20年以上遅れている」。私は危機感を抱き、状況を打開できる糸口を必死に探し歩きました。その中で、コンピューター管理による最新の栽培設備に出会い、国内生産者への輸入を開始。品質向上と安定的な供給体制の確保に努めました。

 現在、道はまだ途中です。マッシュルームの日本人1人当たり年間消費量は2000年の約30gから2倍の約60gに伸び、当社も4年前にマッシュルーム専門のレストランを開業するなど、次々に攻めの手を打っていますが、私の目標は年間消費量「1,000g」です。
マッシュルームに惚れ込んだ私の挑戦は、まだまだ続きます。


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コロナ禍でレストラン事業が打撃。
マッシュルームの美味しさを届けるべく未来を切り拓く。

コロナ対策で事業戦略の見直し、 変化に強い機動力のある体制を目指す

当社の取引先に多数ある飲食店はコロナで休業や来客激減のため当社への注文がほぼゼロに。
食材卸や野菜の流通会社等からも注文キャンセルが続出しさらに学校給食や社員食堂向けの食材も8割減。
これらの売上減少は4?6月にどん底になりました。

しかし、同時期に外食から家庭での食事に生活がシフトされて料理の需要が高まったためスーパーマーケットからは注文が殺到し、その後もずっと好調です。

結果として、飲食店向けの落ち込みを家庭需要のスーパーなど小売り向けが補い、商社としての全体の売上は前年比98%程度を保つことができました。

しかし、自社で運営しているマッシュルーム専門レストラン「マッシュルームトーキョー」は、他の飲食店同様に大きなダメージを受けました。
姫路店はずっと営業していたものの売上は大幅減。原宿店は緊急事態宣言や休業要請などに応じて4月から2カ月間営業自粛をし、従業員には給料支払いが6割になってしまうことを丁寧に説明し理解と協力をお願いしました。
6月からは通常通りランチ及びディナーの営業を再開しましたが全く客足は戻りません。

その間、以前から開発していた自社商品のレトルトカレーを私がフェイスブック等で友人たちに呼びかけ通販のような形で400食販売しましたが、レストランの売上は見通しが立たないまま。ここで戦略の見直しを決意しました。

コロナという突然生じた災禍によりこれまでの生活や価値観がガラッと変わってしまった。
今日ダメだったことが明日いいかもしれない、今ウケていることが明日ダメかもしれない、臨機応変に変われる体制が重要だということをヒシヒシと感じていました。

若手社員の声やアイデアを生かし、可能性を広げるマッシュルームの可能性を広げる

まず、最も重要な人材について見直しを図ることに。
限られた人材で最大の効果を得るために、アルバイトだった女性を正社員にし、新たに契約社員も採用し、社員3人プラスアルバイト2人の迅速な機動力のある若手による体制を確立。
すると、彼らから「クラウドファンディングをやりたい」という要望が上がってきたのです。

正直、クラウドファンディングには宙に浮いた実体のないもののようで、私自身否定的でしたが、トライもしないで結論を出すことはできません。
基本的には「まずはやってみよう」の精神を経営の軸に据えているので、この提案を承諾。やるからにはしっかりしたものを作っていこうと、レストランのスタッフが一丸となって準備に取り掛かりました。

クラウドファンディングの目的は、「マッシュルームの魅力を伝えたいとレストランをやってきましたが、コロナ禍でレストラン事業が大打撃を受けています。そこで美味しいマッシュルームのメニューを今度は加工品にして、全国の方々、外出できない方々にお届けしたい」。
それまでレトルトカレーしかなかったので新たな商品開発に取り掛かり、マッシュルームの炊き込みご飯、だしパックなど4種類を製造。こうした自社製品に加えて、一流シェフによるマッシュルームをテーマにしたシークレットディナー券なども含めたリターン商品を揃えました。クラウドファンディングページの撮影、コピー、イラストなども社員が自分たちで手がけ、思いが伝わるように精魂込め、準備万端。

こうして9月24日にクラウドファンディングをスタートしたところ30分で目標額10万円を達成、11月20日の終了時点で300万円を超える金額が集まったのです。
多くの方々から温かいメッセージや今後への期待の声をいただいたことも大きな喜びでした。
若いスタッフの声で実現したこの活動により、支援者と出店者が商品だけでなく心でも繋がる仕組みを体験でき、様々な気づきを得られ、大変勉強になったと思っています。

この流れから商品開発を推進し、現在では、挽きたてマッシュ、マッシュチップス、マッシュ?、マッシュラーメンなどラインナップを拡充し、商標を取り、12月1日から自社のオンラインショップをオープンしています。

世界中の人々に日本発のマッシュルームの魅力を伝えたい

マッシュルームは生産量も消費量も世界一のキノコなので、海外の人にとっては日本人より馴染みがあります。日本にもこういう美味しいマッシュルームがあることを、世界中から来日する方々にアピールしたいというのが私の願いです。
また、2019年からマッシュルームの効能効果を化粧品や医薬品に展開する共同開発を進めています。例えばサプリメントとしてマッシュルームのタンパク質が摂取できれば、動物由来でなく植物由来のタンパク質なのでSDGsにも繋がると考えています。
もうひとつ、介護施設の高齢者に向けて、旅行になかなかいけなくても旅行先の美味しい料理を味わってほしいというコンセプトの「たびたべ」(仮称)という提携先企業の活動に、マッシュルーム尽くしの一流店並みの食事を提供する事業も始めています。
美味しくて栄養のあるマッシュルームを食べ、長生きして来年の夏を迎えていただきたいと考えています。

マッシュルームの可能性は広がるばかり、当社の事業プランも多彩に描いていきます。

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