東商からの重要なお知らせ

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勇気ある経営大賞

受賞企業紹介

※企業概要は受賞当時(2014年)の内容です。

第12回 大賞

株式会社アイオイ・システム

代表者名
代表取締役 多田 潔
所在地
東京都大田区大森北
創業
1984年(昭和59年)
従業員数
82名
資本金
1億2,300万円
事業の
概要
電子関連機器の設計・開発、製造・販売
ホーム
ページ
https://www.hello-aioi.com/jp/
受賞理由

●通信技術を基にした「デジタルピッキングシステム」を開発。物流・生産現場の効率化に資する画期的な製品として、今では世界51カ国で採用されるまで成長したこと。

●リーマンショック後、仕事は大きく減少した。社長は空き時間を新製品開発の好機と捉え、リストラをせず研究開発に専念。物流のペーパーレス化に貢献する「スマートタグ」の開発を成功させ、新たな事業の柱へと育てたこと。

企業紹介

 昭和59年、同社は大田区で創業。コンピューターのハードウェア及びソフトウェアの製作・開発を目的として設立された。
 売上の8割強を占める主力製品「デジタルピッキングシステム(以下、DPS)」は創業期に開発した。これは工場の組立ラインや物流センターでの取り出し・仕分けの作業効率を大幅に改善させる画期的なシステム製品であり、それまでの紙の伝票やリストをもとに行っていた時に比べ、より速く・より正確に作業ができるようになった。
 日本での成功をベースに、世界各国に販路を拡げたいと考えた社長は、世界中を飛び回り現地情報を収集、営業活動を続け、海外現地企業とのネットワーク作りに成功、アメリカ・スペイン・中国にそれぞれ拠点を設けた。世界各地の現地事情に合わせた製品開発を進め、他社に真似のできない商品性で「アイオイ」のブランドを確立し、現在では世界51カ国で同社のシステム製品が採用され、今も成長を続けている。
 DPS の開発により創業から順調に業績を伸ばしてきた同社だが、平成20年9月のリーマンショック後、受注は大幅に減少、技術開発部門の仕事も激減してしまった。社長は当時、経営状況からみてリストラもせざるをえないと考えたが、せっかく育てた従業員を解雇するのはもったいないと逆にこの状況を新製品開発の好機と捉えることにした。人を切らずに研究開発費を捻出するため、助成金の活用や金融機関からの借入、取引先への資金融通をお願いするなどなんとか資金繰りにメドを付け経営を乗り切った。
 その後、わずか半年で物流のペーパーレス化に貢献する「スマートタグ」の開発に成功、発売当初は正しい評価を受けられず、苦戦が続いたが平成24年2月に1万5千枚の受注が決まると、その後2年間で大手100円ショップや医療現場、自動車部品工場などに累計約19万枚の販売実績を残すことに成功した。
 常に新たな発想を喚起し、利便性の高いシステム製品を開発するという同社の挑戦は今後も続いていく。

  • デジタルピッキング表示器

  • Smart Card

  • プロジェクションピッキングシステムR

受賞コメント

常識にとらわれない製品が評価されてうれしい
 大賞受賞のお知らせをいただき大変うれしく思っております。何も後ろ盾の無い中小企業が世界に向けて、がむしゃらに物づくりを発信してきた事が評価されるとは思っておりませんでした。これからも世界初の製品づくりに励みたいと思います。
(株式会社アイオイ・システム/多田 潔 社長)

世界の物流と生産の現場に、
デジタルピッキングなどの
ソリューションシステムで貢献。

日本の緊急事態宣言や海外のロックダウンにより、訪問による対面営業活動が全面ストップ

コンビニエンスストアの商品棚の補充、物流センターの仕分け、工場のラインごとに必要な部品のピックアップなど、幅広い現場で、必要な商品や部品を間違いなく速やかに仕分けできるシステムによりお客様の物流や生産の効率化に貢献しているのが当社です。

従来は紙の伝票やリストと照合していた作業が、電子機器とソフトウェアを使った当社のDPS(デジタルピッキングシステム)を導入すると生産性が大幅に向上します。常にお客様の声を聞きフィードバックする姿勢を大事にしており、そこから、表示機器の設置工事が不要でプロジェクターを活用するプロジェクションピッキングシステムなどの製品も誕生させてきました。

現在、世界72カ国の物流・製造現場に様々な支援システムを供給しており、売上構成は日本国内7割、海外3割。国内には東京本社と大阪営業所、名古屋営業所があり、海外にも営業3拠点および生産1拠点を有しています。

従来は、営業担当がサンプルを持って客先に出向き、プレゼンをして見積り、予算確保、設備工事という流れでした。もう一つの営業の大きな柱が国内外の展示会への出展です。そこで様々な人に実際に製品を見て体験していただき、商談に繋がることも多々ありました。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより、これらの営業活動は全てストップ。海外の展示会は2020年3月にドイツで開催予定だったヨーロッパ最大の物流展が中止になり、それ以降は全ての展示会が中止。同月に東京で予定していた当社主催のセミナーも中止に。

営業担当は客先への訪問が不可能になってしまいました。特に海外は日本より厳格なロックダウンという規制により外出を止められ、テレワークのみ。中国の子会社は1月の旧正月後から1カ月間完全に休業し、売上ゼロ。営業活動ができないと売上もあがりません。

そこでオンラインや動画配信サービスなどを使って製品説明を行いましたが、当社側からの一方的な発信なので、お客様から質問があっても、すぐに対応できない。何かよい方法はないだろうかと模索しました。

試行錯誤を重ねて、独自のライブショールームという営業方法を確立

2020年3月に中止した当社主催のセミナーは、北京、上海、東京から約350人の申し込みがあったので、急遽、ウェビナーに切り替えて実施することに。しかしこの時点ではまだオンラインソフトのセキュリティの問題などもあり、スムーズな運営ができませんでした。

その反省を踏まえて、5月からライブショールームに取り組むことにしたのです。ライブショールームとは、リアルタイムで当社のショールームを紹介するともにライブ体験ができ、なおかつ双方向でコミュニケーションができるシステム。

当社が東京と大阪に持っているショールームには製品のラインナップ展示はもちろん、実際に体験できるデモコーナーも完備しており、通常はお客様に足を運んでいただいて説明する役割を持っています。このショールームをテレビカメラシステムやオンラインコミュニケーションアプリで繋ぎ、お客様がオンラインで製品を見ながら「もっと近くから見たい」などの要望や「ここはどうなっているのか」などの質問に対し、リアルタイムで対応し、まるでその場にいるような双方向コミュニケーションができる営業の方法を確立したのです。最初は音が聞きづらい・カメラの動きに酔ってしまうなど様々な意見が寄せられましたが、試行錯誤を繰り返し、7月頃には非常にスムーズに展開できるようになりました。

例えば、大手メーカーでは全国各地の工場の各部門担当者が何十人も集まって新設備の検討会をします。そこに当社のライブショールームを用いれば、何十人でも一斉に参加可能で、それぞれの立場からの質問にも即座に回答ができ、情報共有が図れます。

海外の例を挙げると、当社ではシンガポールに営業拠点があり、ジャカルタに当社の営業担当と代理店の営業担当がいて、インドネシア国内にエンドユーザーがいます。それらの人々と日本のショールルームをライブショールームで繋げば問題なく営業活動が実現可能。つまり、これまで出張して行っていた営業活動がライブショールームでできるようになりました。営業担当が動かなくても受注できるという、革命的な方法が実現できたわけです。

この方法はたちまち評判となり、1年間で国内外500社以上のお客様が利用するまでに発展。2021年2月には名古屋の展示会場での展示会がありましたが、そこでもライブショールームを活用し、展示会場に来場されたお客様と東京本社のショールームを繋いで説明したところ、わかりやすいと大変好評でした。

こうして、営業スタイルが180度転換し、出張費用が大幅に削減。コロナ禍でも順調に業績を上げることができたのです。現在もこの方法を中心に営業活動をしており、特に東京、大阪、シンガポール、スペインの拠点でフル活用しています。

世界同時の大きな変革の波にオールジャパンで挑むべき

東京2020大会は、私の身内が地元の聖火ランナーを務めることもあり、応援する気持ちが高まる一方です。日本の底力を世界に示す大きなチャンスだと思っています。

コロナ禍で全世界の人が共通して考えているのは、今までのライフスタイル・ビジネススタイルが激変するということ。日本だけではなく、世界が同時に変わる、これほど大きなチャンスの時はない。今後必ず到来する世界的に大きな波は物流の見える化だと確信しています。

かなり大きな波で、しかもスピードがあるので、すぐに決断して実行しなくては取り残されてしまう。当社1社で頑張るのではなく、オールジャパンで立ち向かっていくほどの大々的な潮流だと心得ております。

当社はこれまで何度もピンチをチャンスに変えて発展し、30年以上の社歴を築いてこられました。今のコロナ禍はピンチですがチャンスでもある。ぜひ、独創的なアイデアを出し合って結集し、オールジャパンで新しい日本へと変化していきましょう。

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