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勇気ある経営大賞

受賞企業紹介

※企業概要は受賞当時(2012年)の内容です。

第10回 優秀賞

鬼塚硝子株式会社

代表者名
代表取締役 鬼塚 好弘
所在地
東京都青梅市今井
創業
1967年(昭和42年)
従業員数
31名
資本金
2,000万円
事業の
概要
各種ガラス機器、CO2レーザー、電界放出型X 線管の製造販売
ホーム
ページ
http://www.onizca.co.jp/
受賞理由

●血液分析装置のキーデバイスとなる分光分析用のガラスセル(容器)の開発に挑戦、数々の試行錯誤を続け開発と量産化に成功した。当製品は洗浄して繰り返し使用することができ、10年間利用可能なオンリーワン製品となっている。さらに電界放出X線管も世界初の実用化に成功したこと。

●社長がガラス職人として大学研究室に協力してきた人脈から、その時代に求められる製品ニーズを探り、失敗を恐れず技術開発に果敢にチャレンジ。職人と科学者が上手く連係し、大手では出来ないスピード感ある製品開発を実現している日本を支える中小製造業といえること。

企業紹介

 同社では硝子加工の熟練職人を「匠」という。その匠の卓越した「技能」と開発担当である研究者の高度な「知識」を融合させて、時代を切り開く最先端の製品を開発してきた。そのスピード感はとても大手では、まねできない。設計図ができたその日に試作品を作り、NGなら直ぐ設計図を作り直し、次の日にまた試作品を作る。その繰り返しは何度も続く。社長は今も現役の硝子加工の熟練職人、いわゆる「匠」だが製品開発では研究室の室長の下につく。ごくたまに予算面でイエローカードをだす社長(匠)と研究者のコンビネーションは絶妙で、同社は思う存分研究開発ができる環境だ。
 第1の挑戦は、血液分析用「四角いガラス容器」の開発製造だ。血液分析機メーカーから、それまで作られたことのない四角いガラス容器の製造を求められた。人々のお役に立てる製品で会社が飛躍できるチャンスと考えた社長は、開発のための大きな設備投資に踏み切った。長い試行錯誤の結果、5面一体成型方式で開発に成功した。
 その後も、常に量産化、高精度化、低価格化を追求。各工程の加工設備を社内で開発、改良を重ね、内製化と自動化を推進。製法研究も怠らず、2年前にはメッキ不要金型を開発し精度向上した。当初の月500個が現在では3万個に。精度が向上し、製造原価が低下した結果、競合はいない。そして同社の主力製品となっている。なお5面一体成型方式は世界的に見ても同社独自である。  次の挑戦として、同社は外部研究機関との連携の中、電界放出型X線管を作る機会を得た。これが実現すると超小型かつ超低消費電力であるため、用途として在宅看護や環境モニター等に利用可能である。簡単にいうとレントゲン装置を携帯出来るのである。
 同社は匠と研究者の競演により、他社にない猛烈なスピードで研究を進めその結果、世界で初めて、ナノテクを応用した電界放出型X線管の製品化にこぎつけた。この研究を通じ同社社員は博士号を取得した。
 当該製品は携帯可能なX線装置を実現する上で有用であり、前述のように医療分野や環境分析など広く世間に貢献する製品となりえる。
 同社の常に新しい技術開発を進めるという経営姿勢と職場環境は、結果として次世代の製品開発に繋がっている。また、社費で博士号を取得させるなど、開発、製造現場を支える人材育成にも積極的である。同社はグローバルニッチトップの製品開発で日本を支える研究開発型の中小製造業者といえる。

  • 5面一体成型式角型ガラスセル

  • 匠(社長)に制作依頼する研究者

  • 電界放出型Ⅹ線管

受賞コメント

中小企業でも研究はできる
 経営姿勢が評価され、大きな驚きとともに喜びを感じている。中小企業でも研究はできる、これを実現するべく経営を行ってきたことが受賞の要因であったのだろうと考えている、。今回の受賞をひとつのステップとして、さらに飛躍できると確信した。
 研究への情熱を失うことなく、現在の基幹製品である、理化学用ガラス機器、血液分析用ガラスセル、炭酸ガスレーザーに加え、第4の柱としてX線関連業務を事業化したいと考えている。今回の受賞は、研究姿勢に対する評価と考えており、より研究に注力できる体制を整えたい。
(株式会社鬼塚硝子/鬼塚 好弘 社長)

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