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勇気ある経営大賞

受賞企業紹介

※企業概要は受賞当時(2010年)の内容です。

第8回 特別賞

株式会社大麦工房ロア

代表者名
代表取締役 浅沼 誠司
所在地
栃木県足利市(都内:足立区)
創業
1986年(昭和61年)
従業員数
60名
資本金
4,000万円
事業の
概要
「大麦」を使った菓子、食品の製造・販売
ホーム
ページ
https://oomugi.co.jp//
受賞理由

●ビールの原料や飼料用作物という大麦のイメージを払しょくし、地元産大麦を使った健康価値の高い菓子「ダクワーズ」の量産に成功。菓子以外にも、機能性食品や化粧品など幅広い分野で大麦を原料とした商品を開発し、大麦専門の食品メーカーとして成長したこと。

●原料として流通していない大麦を確保するため地元農家と新たな協力関係を構築し、農商工連携の成功事例としても評価。地元の新たな名産品を作り出すことで、地元農業の振興と地域の活性化にも貢献したこと。

企業紹介

同社を育んだ地元は、美しい大麦畑が広がる日本有数の大麦生産地であったが、食用大麦の国内生産量は年々減り続け、戦後60年で1/5まで減少していた。懐かしい大麦畑の風景を子供たちに残し、地場の産業と農業が生き残る道を模索した結果、地元の洋菓子店は、思い切って地元産の大麦を使った新しい菓子作りを決断する。
国内で生産される大麦は、殆どがビール原料として契約栽培され、食品の原料としては市場に流通せず、輸入される大麦は全て飼料用である。大麦を使ったお菓子を作ろうと思っても原料の仕入れさえ難しい状況だった。手始めに、大麦を分けてくれる農家を探すことから始めたが、次は、生産した大麦を精麦する業者がみつからない。仕方なく精米機を代用し、自分たちの手で精麦作業して乗り切った。
地元産の大麦を使って作ろうと考えていたのは、フランスのダクス地方の伝統菓子「ダクワーズ」。大麦で作るダクワーズには、ワイルドさがあり、大麦独特の食感も残るため、小麦でつくるのとは全く異なり、これまでにない新しいお菓子が出来ることが分かった。
お店の主力商品を、生ケーキから大麦ダクワーズへ大きく転換しようと意気込むが、新しい生産ラインを作る資金の調達に取引銀行は首を縦に振らない。止む無く、これまで全く取引の無かった金融機関に飛び込んで融資をとりつけ、苦心惨憺の末、ようやく大麦ダクワーズの生産がスタートした。
大麦は、ビールの原料や飼料用作物というイメージが強いが、平成18年にアメリカのFDA(食品医薬品局)は、大麦食品に対して正式にヘルスクレーム(健康強調表示)認可しており、大麦に含まれる食物繊維は、血清コレステロールを低下させ、心疾患・生活習慣病などの予防に有効性が認められている。このため、お菓子だけでなく、パン類や機能性食品・化粧品なども手掛けて、我が国では唯一の大麦専門の食品メーカーとして成長を遂げている。
生産開始当初は苦労した地元農家との連携も進み、取引量は500㎏から250tにまで拡大。地元農業の振興にも貢献し、農商工連携の好事例として高く評価されている。今年5月には大麦ダクワーズがベルギーのモンドセレクション金賞を受賞し、インターネットでも地元の新たな名菓として人気を集め、地域活性化にも大きく役立っている。
大麦の良さを知ってもらおうと、「大麦は地球を救う」と題した絵本を自費出版して市内の小中学校に寄贈し、今後は、絵本の中で描いたことを実現するため、アフリカに工場を建設して、大麦を中心としたサステイナブル(持続可能)な社会の形成を実践するのが目標という。

  • 地元の美しい大麦畑

  • 大麦で作ったダクワーズ

  • 絵本「大麦は地球を救う」

受賞コメント

自分たちが創造してきた「大麦の新しいビジネスモデル」が公に認められたことに感謝する。これからも大麦の可能性を追求し、広めていきながらこの新しいビジネスモデルによって、地域が、日本が、農業が、地球環境が、社会全体が豊かになっていくことを目指したい。
大麦を中心に据えた豊かな持続可能な社会を目に見える形で実現していけるよう、発展途上国の荒野を大麦畑に開拓し、持続可能な社会をビジネスモデルとして作り上げていきたい。

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