東商からの重要なお知らせ

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勇気ある経営大賞

受賞企業紹介

※企業概要は受賞当時(2010年)の内容です。

第8回 優秀賞

株式会社ミラック光学

代表者名
代表取締役 村松 洋明
所在地
東京都八王子市
創業
1963年(昭和38年)
従業員数
8名
資本金
1,000万円
事業の
概要
精密光学機器・位置決めステージ等の製造
ホーム
ページ
https://www.miruc.co.jp/
受賞理由

●バブル後の倒産の危機に際し、工場・自宅を売却して郊外に移転。融資依存からの脱却を目指し、残された匠の技に賭けて新製品の開発に専念した結果、独自の極めて精巧な位置決めステージの商品化に成功。製造ラインには欠かせない大ヒット商品に育てたこと。

●ニッチ市場でオンリーワン企業を目指すとともに、特許権・意匠権・商標権を巧みに組み合わせて蜘蛛の巣のような網を張り巡らせる知財ミックス戦略を展開することで、付加価値の創造と差別化に成功し、取引先からも絶大な信頼を得ていること。

企業紹介

「アリ溝」という聞きなれない言葉を皆様はご存じだろうか。図に示した通り、同じ形状をした台形のオス側(突起)とメス側(溝)をはめ込み、スライドできるようにした装置で、例えば、正確性を要する顕微鏡のピント合わせ装置などに使われてきた。見ての通り、オス側とメス側がしっかり噛んでいるので耐荷重性と耐ねじれ性に優れる。使い勝手がよく、幅広い用途に利用可能であるが、オス側とメス側の形状が極めて高い精度で一致していないとスムーズなスライドができない。職人の手作業による摺り合わせで精度を高め、ゴリ(ゴリゴリ感)、ムラ(軽くなったり重くなったり)、キシミ(あるところで急に重くなる)のない、滑らかな摺動が同社のコア技術となっている。 もともと同社は顕微鏡を製造する会社として、父親である先代の社長が創業。先代が大病を患い、現社長が平成3年に入社した頃は、折からのバブル崩壊、続く超円高と、売上はピークの1/3まで激減し、倒産の危機に瀕していた。そこで「撤退も戦略のうち」と、現社長が先代を説得して、杉並にあった工場・自宅などの資産をすべて処分し、借入金を減らし、八王子に移転してゼロからの再出発を始める。残されたものは、職人が顕微鏡のピント合わせ装置で培ったアリ溝の摺り合わせ技術だけだったが、社長はこの技術に会社の将来を賭けて、「位置決めステージ」という、より汎用性のある新製品の開発を行う。こうしてできたのが「アリ溝式ステージ」で、販売初年度の平成12年は、販売台数はわずか400台。ところが、製造現場でカメラ・センサー・測定器などを載せ、正確な位置決めが自由自在にできる使い勝手の良さから、取引先にも恵まれて、10年後の平成22年には15000台を見込むほどの大ヒット商品に育て上げたのだ。 同社が優れているもう一つの側面に、徹底した知財戦略がある。アイデアの段階から、どれを権利化し、どれをノウハウとして秘匿するかを精査し、権利化するものは、特許権(発明)・意匠権(デザイン)・商標権(商品ブランド)を巧みに組み合わせて蜘蛛の巣のような知財網を張り巡らせて、自社の権利保護を図っている。中小企業の知財戦略の一つのお手本と言えよう。

  • アリ溝式ステージ

  • メジャースコープ

  • AIロボット

受賞コメント

平成4年創業から今までに関わって頂いた人たちに感謝したい。「人と人との繋がりがテクノロジーを進化させる」。これからも、人との関わりを大切に、また人の役に立つ企業で苦しかった捲土重来の道を振り返ると感無量の思いである。この受賞を励みに、これからも「メード・イン・ジャパン」の誇りに賭けて、歩む足跡をしっかりと残していきたい。
知財網の構築と付加価値の高い新商品開発をより一層進化させ、さらなる高みを目指すと同時に、異分野への〝新たなものづくり〟に挑戦したいと考える。蓄積したノウハウとアイデアを活かして広く社会に貢献できる企業を目指し、社員一同使命感に燃えて仕事に打ち込みたい。

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