※企業概要は受賞当時(2010年)の内容です。
休廃業等の理由により、
受賞当時の情報のみ掲載
●食品メーカーと小売店の双方のニーズを結びつけた特売用激安商品売買〇〇サービス「なび市-Net」をはじめとし、独自構築したIT活用による配送システム等、流通における様々なツール・ノウハウを駆使して、中小小売店が大手に対抗しうるローコストでの商品供給を実現したこと。
●独自の農産物流通システムの確立に挑戦し、中小小売店が大手と伍す"新鮮で楽しい生鮮売場"を設営することを実現。あわせて、地方農家が常に抱える"面識の無い都心スーパーへの売掛金回収不安"の払拭ため、損保会社とのタイアップによる取引信用保証制度を新たに構築。都心小売店と地方農家の満足を両立させたこと。
同社は、「日本の中小小売業の活性化」を掲げ、主に中小スーパー向けに、日配食品を中心とする食品の卸売や物流サービス事業等を展開している。日配食品とは、豆腐や総菜、麺類等といった、日々発注・納品される商品のことで、天候や時期によって販売数が大きく変化するため発注者には経験やノウハウが欠かせないうえに、傷みやすい商品のため輸送にあたって慎重なケアが求められることが特徴である。このため、食品メーカーは日によって変動する発注への対応が迫られ、どうしても余裕をもって多めに製造せざるを得ず、その余剰となった商品の処分に時間もお金もかかることが頭痛の種であった。
一方、中小小売店にとっては、大手企業と比較すると圧倒的にバイイングパワーで劣るため、特売用の激安商品については、赤字で販売せざるを得ない状況がある。そこで、"モノを売るな、感動と体験を売れ"が合言葉である同社が手がけたのが、今や看板事業でもある、スーパーの特売用激安商品の売買サービス「なび市-Net」だ。食品メーカーから余剰分を買い取り、中小小売店に安価で卸すという、食品メーカーと中小小売店をWin-Winの関係で結びつけたもので、メーカーと小売店の両者ともに顔がきき、なおかつ商品の保管及び点在する小売店へ速やかにローコストで運搬することが可能な企業でしか成し得ないサービスである。
このように同社の強みは、数多くの中小小売店に対し、ローコストで柔軟な物流サービスを提供できる体制を構築していることである。当然ながら、大量の荷物を少数地点に輸送することが最も高効率なことは物流の常識である中、同社はその真逆ともいえる方向性に挑戦し、20年以上にわたって培ったノウハウと最新の情報技術を融合させることでシステムの構築を実現。これにより、中小小売店が大手に負けない価格での商品ラインナップが可能となり、今回この点が高く評価された。
中小小売店を助ける仕掛けはまだある。中小小売店にとって商品を仕入れる際、問屋に多額の保証金を積む必要があり、このことが柔軟な仕入れや資金繰りにまで悪影響を及ぼすことが少なくない。これに対し同社は、損保会社とのアライアンスにより取引信用保証制度を構築し、小売店は保証金なしで商品の仕入れができる体制を整えるなど、今や中小小売店にとってなくてはならない強い味方となっている。
また、新しい挑戦として、地方農家と都心の中小小売店を結びつける事業の確立についても高い評価を得た。小売店にとっては、大手に対抗できる"新鮮で楽しい生鮮売場"の設営が可能となり、農家にとっては、販売先の拡大や今まで商品とならなかった少量や規格外の作物を販売にすることができるメリットがある(政府の農商工連携事業にも認定)。ここでも取引信用保証制度を活用し、農家の抱える"面識の無い都心スーパーに対する売掛金の回収不安"を払拭している。
今後も、強みである物流ノウハウを進化させながら、あらゆるステークホルダーをWin-Winの関係で結びつける同社の挑戦は止まらない。
今回の受賞により、日本全国の中小小売業や生産農家にグルメンの独自化したビジネスモデルを知ってもらえるチャンスとなると考えている。これからも「モノを売るな!〝感動〟と〝体験〟を売れ! 大企業が上がれない土俵の横綱を目指せ!」を合言葉に、高齢者にも優しく快適な暮らしやすい地域社会の役に立ちたい。
大都市と地方との食の連携により、グルメンの独自化したビジネスモデルが地域活性化の原動力となり、全国の中央卸売市場との連携が生まれると確信している