※企業概要は受賞当時(2009年)の内容です。
●売上激減と従業員の離反に見舞われながらも無添加素材を使用したリフォームにこだわる経営姿勢を貫き、ビジネスを軌道に乗せたこと。
●材料費と施工費を分離して顧客に明示すること(材工分離)や会員制のアフターメンテナンス等、業界の慣習にとらわれない経営手法により顧客の信頼を得、リピーター化に成功したこと。
同社は平成14年、建築業界では当たり前となっていた塩化ビニール(塩ビ)製壁紙の使用停止を決断した。塩ビはその当時、環境や健康に悪影響を及ぼしかねないと社会的批判が高かったものの、業界標準であった塩ビ製壁紙を一切使用しないことで同社の売上は激減。その結果従業員の多くが退職するという危機に直面した。
しかし、同社はこれを機に自然素材を使用したリフォームビジネスをより一層特化し、「無添加リフォーム」としてブランド化を推進した。当時アメリカで提唱され世界に広がった"LOHAS"(健康と持続可能なライフスタイル)の概念を建築業界に持ち込み、首都圏を中心に自然素材の体感スペース「LOHAS studio」を展開。積極的なビジネス展開が軌道に乗り、現在までに行った自然素材を使用したリフォーム実績は約3万件に上る。
また、独自の経営手法により顧客のリピーター化にも成功している。材料費と施工費を分ける"材工分離"をいち早く取り入れ、材料は施主が持ち込み、施工業者には専門工事だけを依頼することも可能とした。これにより価格の透明性と顧客の納得度を高め、顧客との信頼関係強化につなげた。また、施工後のメンテナンスについて会員制サービスを設けており、有料会員は水漏れやエアコン修理等小規模な工事が追加料金なしで受けられる。会員は現在約9,400世帯に上っている。こうした経営手法により通常1回のみの施工で途切れがちな顧客のリピーター化を果たした。
同社では近年、環境をテーマにした外部への情報発信に注力している。高いデザイン性を備えた環境配慮型リフォーム推進のための社内選考会制度を開設。その選考会を経て、外部のコンテストにこれまでに90を超える作品が入賞、また全国最優秀賞を連続受賞するなど、環境配慮と高いデザイン性の両立を広くアピールすることに成功している。