※企業概要は受賞当時(2008年)の内容です。
●世界に類のない溶媒リサイクル方式の分取液体クロマトグラフという新たな分野を開拓したこと。
●新連携制度の活用などにより、従来に比較して数十倍の試料が投入できる「リサイクル分取液体クロマトグラフ」の新機種の開発に成功。これにより、大学研究室に限定されていた市場から脱皮し、大手メーカー等の新たな販路を開拓したこと。
液体クロマトグラフとは、大学や企業の研究機関等において、化学品の成分分析等に使われている装置のことをいう。
同社が手がける液体クロマトグラフは、「リサイクル分取液体クロマトグラフ」と呼ばれるものである。その最大の強みは、目的とする有効成分を分離する際に、試料を溶かす溶媒を循環、繰り返し使えることにある。溶媒を消費しないためランニングコストを抑えられる。同業他社にこのようなリサイクル方式の製品はなく、したがってこの分野のシェアは90%以上を占める。
これまで同製品のユーザーは大学研究室がほとんどを占めていたが、昨年、経済産業省の「新連携」制度を活用するなど、試料の投入量を飛躍的に高めた新製品の開発に成功した。これにより、化学物質の精製に活用したい化学・製薬メーカーからの引き合いが増えつつあり、新たな市場として期待が高まっている。
長年の蓄積の結果として大学研究室を固定客として押さえているのが同社の強みである。2,000 以上の大学研究室と太いパイプを有し、営業担当者が研究者から得てきたヒントをもとに、ニーズを具現化する能力に長けている。同社の製品を利用していた研究者が、海外の大学に出ても、再び同社製品を注文してくるケースもある。また、他社製品では分離困難であった化合物が、同社製品を使用することにより分離できるところを見て驚いたヨーロッパの研究者達が、同社製品を"Japanese Wonder" と呼んで愛用していることも語り草となっている。