※企業概要は受賞当時(2007年)の内容です。
●地域に密着した顧客作りのための、徹底した外回りサービスや30年間にも及ぶ毎週末に開催する各種イベントといった「お客様をとことん喜ばす」サービス姿勢は類を見ず、量販店と比べて「かなり高い売値であっても買ってもらう」経営手法は秀逸である。
●小型の電器店が続々と閉店に追い込まれる情勢の中、成長を続ける同社の経営手法は、ますます進展する高齢社会に適応しており、家電業界だけでなく様々な業種の小売業が生き残るモデルとなり得ること。
量販店との厳しいコスト競争により生き残れない街の電器店が続出する中、同社が成長を続けている秘訣は、外販が売上の7割を占めるという徹底した外回りサービスがまず挙げられる。電話があれば「電球1個」でも飛んで行き、取り付けはもちろんのこと、あわせて電球まわりの掃除まで行う徹底ぶりで、サービスマンがそのまま食事をご馳走されることもあるほど顧客と密着している。
次に独自の顧客管理法が挙げられる。安売りの土俵には決して乗らないことを決心した山口社長は、長年蓄積してきた3万4千人の顧客リストを思い切って1 万4千人にまで絞り込み、サービス展開の見直しを図っている。一見リスキーとも思えるが、逆に顧客の高信頼につながり、客の口コミが客を呼ぶシナジー効果を生むまでになった。
また、同社は、どこで買った商品(全メーカー対応)でも修理に応じることができる修理専門の店舗も有しており、「あらゆる家電に関するワンストップサービス対応が可能なお店」という安心感による信頼度を向上させている。
一方、今後の新たな成長戦略として、オール電化を中心としたリフォーム関連事業に力をいれ始めている。この事業は顧客の住宅タイプによってその対応が全く異なってくることから、店舗に足を運んでもらうことによって商売が成り立つ大手量販店よりも、外回り営業を得意とし地域密着で顧客の顔を見ながら商売をしている同社こそが強みを発揮できる分野である。今後この事業の売上を全体の3割まで向上させることを目標としている。