※企業概要は受賞当時(2007年)の内容です。
●限られた形状の中に様々な電子部品を一堂に内蔵するという難題に70歳近くで挑戦し、腕時計に情報端末を組み込んだ機器の開発を成功させたこと。
●聴覚障害者用の製品に留まることなく、販路を一般ビジネスの分野にまで広げることに成功したこと。
社長である齊藤氏自身が難聴者であり、「自分のような聴力の弱い人が自由・安全に暮らしていくためには、身の回りの情報を間違いなくキャッチする手立てが必要であり、身体に直接振動をあたえることにより気付かせてくれる携帯型の情報受信機があれば便利にちがいない」という切実な必要性から生まれた発想により、腕時計型の装置の開発に69歳から着手。だが、極めて限られた形状の中に受信回路・表示部・アンテナ・電池・振動部等を一堂に内蔵する必要があり、中でも、電力消費の激しい受信機に対して使える電源がコイン型電池に限られたことが難題であった。
そのため、電池寿命をいかに長持ちさせるか、また、わずかなスペースに電子部品が密集する中でいかに受信アンテナの感度を高いレベルに保てるか等の克服に多くの時間と労力が割かれた。時計メーカーの技術者もギブアップするなか、各分野の専門家の力を借りながら粘り強い研究を続け、腕時計に情報端末を組み込んだ「シルウォッチ」の開発・商品化を成功させる。