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勇気ある経営大賞

受賞企業紹介

※企業概要は受賞当時(2007年)の内容です。

第5回 大賞

株式会社チバダイス

代表者名
代表取締役社長 千葉 英樹 (ちば えいじゅ)
所在地
東京都葛飾区
創業
1966年(昭和41年)
従業員数
30名
資本金
4,800万円
事業の
概要
小形歯車加工に専門特化した会社で、小形歯車の開発・生産技術・製造・研究を一貫して手がけており、超精密加工技術を結集することにより、他では得られない最高の歯車製品をお届けすることをモットーとしている。
ホーム
ページ
http://www.chibadies.co.jp/
受賞理由

●産学連携による新製品開発や短納期による高品質試作品製作サービスといった、業界の常識にとらわれない独自の製品・サービス開発力により、バブルの崩壊による景気低迷や中国企業の台頭による経営の危機的状況を乗り越え成長していること。

●既存の技術を地道に発展させることによる他社との差別化戦略は、日本の中小製造業の目指すべきモデルとなり得ること。

企業紹介

小形歯車はモータ部品の中に数多く利用され、自動車・OA機器・家電・医療機器等の様々な製品に使われている。
同社は、開発・生産技術・製造・研究まで一貫して手がけることで、小形歯車のことなら材質も問うことなく様々なソリューションを可能とし、その独自性が際立っている。
代表的なものとして、大学との産学連携での開発により、2つの歯車を半ピッチ位相をずらして一体化させることにより低騒音化を実現した「ノブシックギヤ」といった新製品や、量産品と同等の品質の試作品を最短3日間で納品する「スピードトライ」と名付けた新サービスが挙げられる。これまでプラスチック歯車の試作品は切削加工で行われることが多く、射出成形によって作られる量産品とは耐久性や騒音面での差が生じるという問題点があった。これを解決する「スピードトライ」は現在、同社の売上の10%を占めるまでに成長し、同社の発展に貢献している。
この他にも、2004年にプラスチック歯車のトライボロジーを研究する目的で「プラスチック・ギヤ・システム(PGS)研究所」を設立。これにより耐久性の向上や騒音の低減など従来の歯車作りより一歩踏み込んだソリューションの提供が可能となり、最近では海外からの実験依頼も増えるなど同社の知名度向上にも貢献している。
特筆すべきは、経営的に苦しい時期にこれらの投資が積極的になされており、また、社員の技術継承やモチベーション向上にも心血を注ぐ姿勢は、今後の日本の製造業におけるモデル的な経営手法であるといえる。

  • 様々な小型歯車

  • PGS研究所

ものづくりを支える歯車と
金型のソリューションカンパニーとして
お客様の困りごとを解決していく。

コロナ禍に限らず、時代の変化の中で持続可能な企業として生き残っていくためには

時計メーカーの技術者だった祖父が戦前に葛飾区で創業したのが当社です。当社の地元葛飾はおもちゃの街でもあり、時計やおもちゃの小さい歯車の製造から始まり、私が入社した90年代にはカメラやOA機器の歯車へ、2010年代からは自動車やロボットなど割と大きい歯車を製造する流れへとシフトしてきています。このように小さい歯車から大きい歯車へと製造するものが変化すると従来の機械設備では合わなくなったため、2015年頃から30台くらいの機械を入れ替え、助成金なども活用しながら数億円の設備投資を行ってきました。

2020年春から新型コロナウィルス感染症拡大により取引先でもテレワークが進み、オンラインの打ち合わせが増えてきました。図面にはない情報を得ることに苦労したものの、2020年8月の決算期までは前年比ではややプラスを確保できました。しかし、翌月の9月以降は受注が減少し、10月から3カ月ほどは売上が前年比2?3 割減少。2021年1月にやや持ち直し、2月の受注は前年並みに回復してきています。

2008年のリーマンショックの時も、今回のコロナ禍でも、明日はどうなるかわからないということを身をもって経験しました。こうした経営の危機を経験する中で、持続可能な企業にするためには何が必要かを常に意識し、実行できるよう取り組んできました。

ソリューションを強みとする企業へ舵を切るためのwebサイトの立ち上げや人材育成に注力

リーマンショックの際に、待っていても良くならない。新しいことに挑戦しようと思いました。単に売上を追うのではなく、質を追求することができないか、そのための方策を探りました。当社には国内だけでなく、海外からも歯車についての相談が多く寄せられていました。精度や寸法だけでなく、軸の安定や音を出さない加工など、歯車に関する様々な知見やノウハウが当社には蓄積されています。この強みをお客様の歯車に関する悩みを解決する取り組みとして、ソリューションを軸に力を入れてきました。

今回、このコロナ禍で、その取り組みをさらに加速させるべく、webサイトを通じた発信に注力しています。ソリューションが当社の強みであることを伝えるためのwebサイトのコンテンツや見せ方などを、どのようにしていけば良いか、歯車のことで悩まれている方に当社の技術で解決できるということにつなげるために、どう発信すべきかなど制作会社の方と相談しながら、2021年夏にはアップの予定です。

社長になって20年以上、これまでいくつもの苦難を乗り越えてきました。そこで学んだのは、考えているだけでは何も好転しないので、危機に陥ったときこそ何か新しいことをやろうというのが私の経験則。ソリューションをアピールする新たなwebサイトの立ち上げもその一環です。

こうした新しい挑戦を常に続けるために重要なことは社員の成長です。私が入社した90年代と比べて、当社に求められる技術力は大幅に変化しました。最新の機械を導入し、自動化対応してもその能力を最大限引き出すのは、セッティングする人の技術です。1000分の1ミリの世界の精度を実現できるのも人がいればこそ。いかにやる気のある若い人材を採用し、一人前にしていくかという人材育成が当社の成長戦略に欠かせません。昨年からコロナの影響で受注が減って製造現場に時間のゆとりができたのを逆に利用して、入社歴の浅い若手社員にきめ細かい技術教育を行うことにも注力しています。

コロナ禍に関わらず、新たな事業の方向性を目指したり人材育成をしたりするなどして、企業として当たり前のことを当たり前にコツコツと進めていくのが大事だと考えています。

お客様の研究開発のパートナーとして世界にマーケットを広げ、社会に貢献したい

様々な分野で部品として使われている歯車を製造する当社は、ものづくりを支える存在。ソリューションのためには付加価値を高めていくことが重要なポイントとなります。

当社では社内に研究所も備えており、お客様と共同で研究開発を行うような仕事も増えてきています。まだ世の中に出ていないようなことを扱うことも多く、電気自動車分野では、2030年のカーボンニュートラル達成に向けてスケジュールを組んで進めているものもあります。こうした取り組みにより、歯車という部品製造を担う当社でも社会に貢献できるということを実感しています。

Webにより世界中とスムーズに繋がるので、当社への相談も世界中から届きます。当社は規模が小さな会社ではありますが、材料や金型などの提案、設計、試作、実験、検証、製品化までトータルに請け負うことができ、柔軟でチャレンジングな存在として認識されており、海外のトップメーカーなどからも問い合わせをいただきます。歯車を軸に、世界のソリューションカンパニーとして付加価値の高い仕事で次代の発展に寄与していきたいという熱い思いを抱いています。

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