※企業概要は受賞当時(2006年)の内容です。
●経営危機をきっかけとして、全社的な委員会活動をはじめとした全社員を経営に巻き込む仕組みを構築し、製品開発力の向上や組織体制の強化に成功。
創業当初からニット丸編機の製造を手掛けていたものの、繊維産業の生産拠点の海外シフトやバブル経済の崩壊、主要取引先の経営破たんにより、約10年前に経営危機に直面した。金融機関からの資金調達もままならない中、会社の再建に向けて様々な社内改革を断行した。それまで主力であった丸編機の製造から撤退し、コア技術である糸切替え装置に特化するとともに、安定した収益が見込めるサポーターなどの繊維事業を強化した。
また、会社の再建に効を奏し、現在でも同社の強みとなっているのが全社的な委員会活動である。パート社員も含めた全社員で定期的に議論をし、開発の知恵を出し合った結果、独自の選針機構が考案され、6色の縞柄(ボーダー)生地の生産が可能な糸切替え装置の開発に成功した。
また、毎日、社員が書いた日報に全役員が目を通し、コメントを付して返却していることが、社員のモチベーションの向上に寄与しているほか、優先度の高い対応事項について効率良く検討が行えるなど、経営戦略策定の面でも貢献している。こうした社内活動は、製品開発力の向上のみならず組織体制の強化にも成果を上げている。
中小企業の手本ともいうべき社内活動の実践を通じて、自社ブランドの確立とともに、現在では世界に向けて製品を供給している。