※企業概要は受賞当時(2005年)の内容です。
●天体観測用光学機器メーカーから医療機器分野に進出し、医師にとって使いやすく、患者の手術負担を軽減する脳外科手術用顕微鏡の開発に成功
●大手メーカーの独壇場であった当分野で、世界特許を武器に競合関係にある世界的企業と業務提携することで、国内のみならず海外でも高いシェアを獲得。
天体・宇宙観測用光学機器の分野で創業し、ブラックホールの発見にも貢献するなど同社の技術力は専門家を中心に高い評価を得ていたが、この技術・経験を活かせるより大きな市場を求めて脳外科手術用顕微鏡の開発に取り組んだ。
場所をとっていた顕微鏡の本体を医師の背後にある空間に設置することで手術作業の自由度を高めることに成功し、顕微鏡を動かし再び戻しても視野や焦点がずれない機構を実現させたことで、手術時間の短縮による医師・患者双方の負担軽減や、脳外科手術の円滑な遂行に貢献した。また、それまでは不可能であった 50マイクロメーターの血管を映し出せる高倍率の手術用顕微鏡も開発し、微細血管の縫合等にも寄与している。
こうした技術開発は、同社の技術力のみならず、手術現場への立ち会いや医師とのコミュニケーションなど現場ニーズの吸収により実現されている。
こうして国内で高いシェアを獲得する一方で、世界規模で取得した100件以上の特許を武器に、競合先である世界的光学機器メーカーと製品保証、代金支払などにおいて有利な条件で業務提携し、海外における販売・保守を委託する戦略によって、世界市場においても高いシェアを獲得することに成功した。