※企業概要は受賞当時(2003年)の内容です。
●屋外電波測定機(スペクトラム・アナライザ)の小型・軽量化に世界ではじめて成功し、急成長をとげる情報通信分野でコア技術を極めた新製品を生み出した経営が評価された。
●バランス感覚に優れ機動性を最大限に活かした経営により、受注型企業からの脱皮に成功、ニッチ分野でトップシェアを確立した。
受託開発を通じて情報収集と技術の蓄積を行い、今後のマーケットを的確に察知している。製品化においては5年先の動向を読み取れるまでは動かないという冷静な戦略眼を有している一方、判断が下された後の行動は非常に迅速である。マイクロ波に関する技術蓄積を粘り強く追求し、「ETC車載機器検査システム」というヒット製品を生み出したが、開発にあたっては技術のみならず関連する規制や指導の方向をいち早く予測し、自ら積極的に関係省庁に働きかけて関係規則を整備させるなどして製品化に結びつけた。また、「スペクトラム・アナライザ」の開発においては、開発先行型企業として研究開発用の助成金を活用するなど経営にも工夫が見られる。
蓄積した技術と高い先見性で、情報通信市場という成長分野で今後核となる製品を開発した。権限委譲や人材の育成にも意を用い、ニッチな分野で世界一のブランド確立を狙う意気込みと勇気を持つ。