「チャレンジングな起業・創業により活力あふれる日本を目指す提言」について
東京商工会議所
中小企業部
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催した第197回議員総会において、起業・創業支援委員会(委員長:藤重貞慶・ライオン相談役)が取りまとめた標記提言を、別紙の通り決議いたしました。本提言は、下記の「基本的な考え方」に基づき、具体的な提言内容を取りまとめたものです。今後、提言内容が国・東京都の起業・創業支援のあり方に反映されるよう、関係各所に対し、強く働きかけていきます。基本的な考え方および主な提言事項は以下の通りです。
チャレンジングな起業・創業により活力あふれる日本を目指す提言
【基本的な考え方】
➢日本経済の持続的成長のためには、創業・第二創業などによる時代の変化に合わせた新陳代謝が不可欠である。わが国の開・廃業率は欧米と比べて低い水準にあると指摘されるが、国や地域ごとの職業観や就職・労働環境、移民の状況など、社会的背景、開業環境は大きく異なり、単純に比較すべきではない。
➢わが国にとって重要なことは、チャレンジ精神あふれる起業・創業が盛んに行われる活力に満ちた経済社会の実現であり、創業にチャレンジすることを評価する社会、失敗しても再チャレンジできる社会的文化への変革および社会全体が起業・創業を育てる・応援する姿勢が必要である。そしてその環境が整うことにより開業率が向上することが望ましい。
【提言のポイント】
Ⅰ.起業・創業を実現させる環境づくり
起業・創業を目指す相談者にとって、利便性の高い総合的なワンストップ相談機能の整備は早急に図られるべきである。その上で、行政や支援機関が、それぞれ実施する支援策については、より広く行き届くよう情報提供に努めながら、相談者のタイプ(下記参照)やレベルに合わせ、また萌芽期から成長段階に沿った支援を行うべきである。
・起業家タイプ(自己実現と事業の成功を目指し、万全の計画と情熱を持って踏み出すタイプ)
・潜在的創業希望タイプ(創業を検討しながらも一歩踏み出すことに迷いを持つタイプ)
・生活型創業タイプ(身の回りで気づいた課題、解決方法を実現させたいという思いから創業に至るタイプ)
・事業型NPOタイプ(地域課題解決や社会福祉分野などで社会への貢献を志向するタイプ)
<国・東京都への主な提言(抜粋)>
・登記等行政手続きの電子化・簡素化・外国語対応
・クラウドファンディングの普及促進
Ⅱ.創業初期企業の着実な成長
創業前後を通じた経営課題は、資金調達・人材確保・販路開拓など幅広い。創業企業を着実に成長させるためには、創業者の自助努力はもとより、目利き力を生かした金融機関や支援機関によるハンズオン支援、さらには取引しようとする調達側や商品等を支持する共感者による支援など、社会全体による応援が重要である。
<国・東京都への主な提言(抜粋)>
・創業5年未満の企業と取引する企業へのインセンティブの付与
・行政によるベンチャー企業の取引拡大・目標値の引上げ
・事業性・成長性を重視した資金供給体制の推進
Ⅲ.チャレンジする文化、失敗が糧として評価される文化の醸成
創業は新しいことにチャレンジすることで自己実現を可能とし、また、新たな社会的価値を創造、提供することで、経済社会に活力をもたらす可能性を秘めている。チャレンジする姿勢、そして失敗がその後の糧として評価される社会、再チャレンジができる社会へと、社会的文化を変えていくことが必要である。
<国・東京都への主な提言(抜粋)>
・高校生からの起業家教育の全国展開
・高校生・大学生でのインターンシップの推進
・起業に対する親世代の理解促進
【東京商工会議所の取り組み(抜粋)】
①東商起業・創業支援センターの開設(起業・創業を実現させる環境づくり、ビジネスマッチング機能の拡充)
②起業家教育支援機能の充実に取組みます。
東京商工会議所
中小企業部
担当 河村・染谷
TEL 03-3283-7724