「少子化問題に関する提言」について ~「出産・子育てに優しい経済社会」の実現に向けて~
東京商工会議所
この度、日本・東京商工会議所(山口信夫会頭)は、標記提言(別添参照)をとりまとめ、5月11日の第570回東商常議員会において決議し、小泉総理大臣、安倍官房長官ほか関係先に提出する。主な提言内容は以下のとおり。
提言要望
<基本認識>
今後5年間を人口問題解決の集中対策期間と位置づけ、あらゆる資源を優先的に投入すべき。
<今後のわが国の少子化対策の3つの柱>
①出生率の低下に歯止めをかけるための対策(出生率向上に向けた対策)
子どもを持ち育てることが経済的・精神的に負担とならないよう児童手当の拡充、教育費の軽減、児童税額控除の導入や地域の子育てサポート体制の整備等に取り組むべき
②人口減少の経済社会に与える影響を最小限に止める対策(経済社会システムの改革)
多様な労働力(女性・高齢者・若年者・外国人労働者)の活用促進、生産性など労働力の質の向上、社会保障改革など少子高齢化に対応できる経済社会システムの構築が必要
③仕事と子育ての両立支援に向けた環境整備(企業の果たすべき役割)
中小企業も企業の社会的責任として両立支援に向けた環境整備に取り組む必要がある。そのため、両立支援に取り組む企業の表彰や税制優遇などインセンティブの付与が必要。両立支援を推進するための基本法も重要
「出産・子育てに優しい経済社会」の実現
○将来のわが国を支える子を持ち育てる行為は社会的貢献。子育て世帯への思い切った優遇が必要。
○子が増えることで社会全体に利益があるのであれば、それに見合うコストは社会全体で負担すべき。
○少子化対策が効果を挙げるためには、国民全体の子を持ち育てることに関する意識改革が必要。
<商工会議所の役割>
①国民及び企業経営者の意識改革(少子化対策や両立支援の重要性を訴えるキャンペーンの展開など)
②仕事と子育ての両立支援に取り組む企業への支援(総合的な情報提供や両立支援策の策定支援など)
③若年者の結婚力向上への支援(出会いの場の提供、若年者の自立支援・人材育成・雇用の促進など)
東京商工会議所
企画調査部
担当 山内・寺田
TEL 03(3283)7661