中小企業向け金融の円滑化に関する意見
東京商工会議所
日本商工会議所
提言要望
わが国経済は、最悪期を脱し改善傾向にあると言われているが、商工会議所早期景気観測(LOBO)調査の9月結果では、業況DIが7ヵ月ぶりにマイナス幅が拡大した。また、資金繰りDIは低位で上下動しており、その水準は、10年前の不況期よりも低いものとなっている。年末に向けて二番底が懸念され、デフレの兆しも見られるなど、中小企業は再度、体力の限界に晒される厳しい局面を迎えることが予想される。
政府においては、昨年11月の金融検査マニュアル改定により「金融機関が条件変更を行っても不良債権にならない取扱い」を拡充し、また、今年4月の経済危機対策で「信用保証協会が既往債務の条件変更に積極的に取り組む」こととするなど、中小企業金融の面で諸策を講じてきた。
しかしながら、長引く景気低迷の中で売上げや受注が減少したまま業績回復が遅れている中小企業は多く、また、昨年10月から始まった緊急保証制度の据置期間(当初1年)が切れてこれから本格的に元本返済が始まるなど、今後さらに中小企業の資金繰りは厳しさを増すと考えられる。
中小企業にとり金融は命綱であり、自助努力では越え難い苦境にある中小企業を救う政策支援が是非とも必要である。他方、わが国の金融システムの国際的信用と健全性を保持することが企業社会の発展にとって重要であることから、民間金融機関による適切な取組みを可能とする政策を強く求めたい。
具体的には、別紙のとおり要望する。
東京商工会議所
中小企業部
担当 藤田・金子
TEL 03-3283-7758