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『円安が経営に及ぼす影響に関するアンケート』調査結果

2014年12月24日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、東京23区内の中小企業の経営に、円安が及ぼす影響について把握するため標記調査を実施し、このたび調査結果がまとまりましたので、お知らせします。
 調査概要および主なポイントは以下の通りです。

【 主なポイント】

~円安でも輸出企業のうち、輸出額が増加した中小企業は約4割にとどまる~

円安でも輸出企業のうち、輸出額が増加した中小企業は約4割にとどまる
○輸出企業のうち、昨年と比べ輸出額が増加した中小企業は約4割(39.3%)にとどまった。主な要因は「海外の需要が旺盛で受注が増えた」が約6割(64.2%)となるものの「円安差益で値引きし、受注を増やした」は10.4%、「円安で価格競争力が高まり、輸出を開始した」は8.2%となり、円安による価格競争力の高まりを受け輸出が拡大したとする回答は1割程度だった。

中小企業の8割強が円安によるマイナスの影響を強く受ける
○8割強(82.1%)は円安の進行によるマイナスの影響を強く受けており、具体的には「仕入れ価格、原材料・部品価格の上昇」が最も多く約8割(77.7%)を占めた。業種別にみると、卸売業では9割を超え(90.4%)、次いで製造業が86.3%、建設業が85.0%となった。商品価格の値上げが困難、円安が急速に進行しており価格転嫁が追いつかないといった声が挙がっている。

円安の進行により「採算が悪化した」企業は4割超
○円安の進行により「採算が悪化した」企業は4割(40.1%)を超え、平成26年2月実施のアンケートと比べて7.3%増加した。「採算が改善した」企業は3.2%にとどまり、前回のアンケートと比べて半減した。円安に対応する新製品の投入、仕入先の変更、値上げ等を実施したことや円安メリットを受けた取引先から例年の値下げ要請が見送られたことによって、採算への影響は「特に変化はない」とする企業は約6割(56.8%)と最も多い。

厳しい競争下にある中小企業は販売価格の値上げが困難
○厳しい競争にさらされている中小企業は、円安の進行で仕入れ価格が上昇していても「製品、商品の販売価格の値上げ」を行う企業は半数に満たない(49.3%)。販売価格への転嫁をしたくてもできずに苦慮している声も多く、採算を維持するためにやむを得ず「仕入れ、調達先の変更」によってコスト削減を行う企業は約3割(33.7%)に上った。

調査期間:平成26年11月4日~11月20日(調査期間中の為替レート:1ドル113.15円~118.96円)
調査対象:東京商工会議所会員企業を中心とした中小企業等 3,614社
調査方法:事務局員による聴き取りおよびFAX等
回 答 数:2,042社(回収率:56.5%)

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 森・石井・大矢・西村
TEL 03-3283-7643