東京商工会議所金融部会は１０月２３日、講演会「日本経済再生の行方」を開催し、金融部会所属議員・会員の１１３人が参加しました。

講師の経済財政諮問会議議員　株式会社日本総合研究所理事長　高橋進氏は、安倍晋三政権の経済政策における三本の矢は「対等に並んでいるのではなく、第一の矢『大胆な金融政策』と第二の矢『機動的な財政出動』は、第三の矢『新たな成長戦略』を打ち出すための環境整備と位置付けている」と紹介。

成長戦略実現の三つの柱（日本産業再興プラン・戦略市場創造プラン・国際展開戦略）に、６月発表時点では税、規制改革についての案が欠けていたことを指摘した上で、６月以降順次打ち出された法人税改革案等を評価し、「六重苦（円高、高い法人税、貿易自由化の遅れ、労働規制、環境規制、電力供給の不安）の解消こそ、真の成長戦略である」との考えを示しました。

また、日本の基礎的財政収支について、財政黒字化に向けては医療費等社会保障支出の削減が必要とした一方、今後老朽化した公共インフラの更新にあたって民間資本の活用が欠かせないと述べ、民間にとって参入の好機となることを指摘しました。

最後に、企業が自らデフレ・マインドを払拭し、イノベーションやグローバル化などの新分野の創出に積極的にチャレンジしていくことが、日本経済再生の鍵であるとし、そのためには人材活用と人材育成のための投資（女性を含む）が重要であると述べました。

参加者からは「アベノミクスの深層がよく分かった。」との感想が寄せられました。

今後も金融部会では皆様のビジネスに役立つ情報提供をしていきます。