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東商けいきょう 2024年4~6月期 結果(中小企業の景況感に関する調査)

2024年6月24日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健 会頭)は、東商けいきょう(東京23区内の中小企業の景況感に関する調査)2024年4~6月期の集計結果をとりまとめましたので、お知らせします。

【調査要領】
▽期間:2024年5月20日(月)~5月31日(金)
▽対象:東京23区内の中小企業2,822社(回答数:1,115社(回答率39.5%))
▽項目:業況、売上、採算(経常利益)、資金繰り、民間金融機関の貸出姿勢、従業員数過不足
▽方法:WEBおよび経営指導員による聴き取り
▽従業員規模構成:5人以下:423社(37.9 %)、6~20人以下:300社(26.9%)、21~100人以下:258社(23.1%)、101人以上:134社(12.0%)

【 都内中小企業の景況感は、プラス圏内に踏みとどまるも、3業種でマイナス                 今年度の設備投資の目的は業務効率化がトップ。生成AI活用企業は約12%と前年度から倍増】

■東商けいきょうの主なポイント
都内中小企業の今期の景況感は、3業種で前期比マイナス。来期は人手不足や円安の影響でマイナスを見込む

◇業況DIは前期比1.2ポイントマイナスの2.2となった。人手不足や歴史的な円安を背景とするコスト増が重荷となる一方、価格転嫁による業績への好影響も見られ、プラス圏内に踏みとどまる。
◇業種別では、小売業が20.3ポイントマイナスの▲12.5、建設業が4.4ポイントマイナスの9.1となるなど3業種でDI値が前期比マイナスとなった。一方で、製造業が3.0ポイントプラスの▲1.6、サービス業が1.0ポイントプラスの5.9と2業種でDI値が改善した。
◇来期(7-9月期)の見通しは3.5ポイントマイナスの▲1.3。人手不足による人件費高騰や原材料価格を左右する円安動向を懸念する声が寄せられた。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○社会全体の外出機会が増え、売上は前年比2割程伸びたが、コロナ前には戻っていない。また、原油高騰・電気代・水道代の高騰で、粗利益はギリギリの状況(サービス業:クリーニング店、従業員数:5名)
○残業時間の上限規制の影響で、各工事の工期が延び、人件費があがり、資材も高騰している。官庁工事では物価スライド等で対応してもらっているが、民間工事では、価格転嫁も工期延長も理解いただけない場合が多い(建設業:建築工事業、従業員数:27名)


■付帯調査 「設備投資の動向について」(「生成AIの活用状況」含む)

◇2023年度に設備投資を「実施した」と回答した企業の割合は、前年度(2022年度)と比べ1.6ポイント増の37.8%となり、「実施しなかった」は1.6ポイント減の62.2%となった。
◇2024年度に設備投資を「実施する」と回答した企業の割合は前年度と比べ0.8ポイント増の44.7%となり、「実施しない」は1.9ポイント減の35.0%となった。実施する目的では「業務効率化」が49.4%と最も多く、次いで「更新や維持・補修」が49.2%、「人手不足対応」が30.1%と続いた。
◇「ChatGPT」を含む生成AIの活用状況について、「活用している」企業が前年度と比べ6.0ポイント増の11.7%、「現在活用していないが、今後活用を検討している」企業が3.9ポイント増の33.5%となった。「活用している」企業では、「コンテンツ作成・校正(社内外向け文書、メール・挨拶文等)」に活用している企業が最も多く63.8%となった。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○人手確保が困難なためRPA等の業務効率化投資を実施している(サービス業:健康診断・介護事業、従業員数:20名)
○製造ラインの完全自動化を進め外注加工費を削減した。今期も自動化のための設備投資を実施する予定(製造業:ポリエチレン容器製造、従業員数:25名)


■付帯調査 「価格転嫁の動向について」

◇直近1年間のコスト増加分の価格転嫁について、「4割以上の価格転嫁が実施できた企業」は前年度(2023年度)と比べ0.6ポイント増の47.0%、「全く転嫁できていない企業」は4.3ポイント減の15.8%となった。
◇直近1年間の労務費・人件費増加分の価格転嫁について、「4割以上の価格転嫁が実施できた企業」は37.8%、「全く転嫁できていない企業」は25.7%となり、労務費・人件費増加分の転嫁が進んでいない様子がうかがえる。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
TEL 03-3283-7643