東商けいきょう集計結果(中小企業の景況感に関する調査)
東京商工会議所
中小企業部
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、東商けいきょう(東京23区内の中小企業の景況感に関する調査)2018年10~12月期の集計結果をとりまとめましたので、お知らせします。
【調査要領】
○調査期間:2018年11月5日~11月15日
○調査対象:東京23区内の中小企業2,575社(回答数:780社(回答率30.3%))
○調査項目:業況、売上、採算(経常利益)、資金繰り、民間金融機関の貸出姿勢
○調査方法:WEB、FAXおよび経営指導員による聴き取り
○業種構成:製造業174社(22.3%)・建設業97社(12.4%)・卸売業133社(17.1%)・小売業92社(11.8%)・サービス業284社(36.4%)
○資本金規模構成:1,000万円以下(個人事業主含む)455社(58.3%)・1,000万円超325社(41.7%)
【 東京の景況は緩やかに持ち直し、先行きは足踏みの見通し】
~東商けいきょうの主なポイント~
○「業況DI」(前年同期比・全業種)は前期(7~9月期)と比べ、2.4ポイント改善の▲5.1となった。
業種別でみると、建設業は12.9ポイント改善の5.1となり、「オリンピック需要のため、これまでゼネコンが受注していた工事が中小企業に回ってきている」との声が聞かれた一方で、人手不足による受注機会損失を指摘する声も多く聞かれた。小売業は3.9ポイント改善の▲15.2となり、「ネット通販が好調」「外国人観光客向けの売上増加」との声が聞かれた。一方で、卸売業は3.6ポイント悪化の0.0となり、人件費・原材料費・運送費等のコスト上昇を指摘する声や、「ネット通販の台頭で売上減少」との声が聞かれた。来期の見通し(前年同期比・全業種)は3.8ポイント改善の▲1.3を見込み、「従業員の高齢化やコスト上昇による利益ひっ迫等の課題があり、先行きが不安」との声が聞かれた。
○企業の声
・今春は公共工事の落札ができず厳しい状況が続いていたが、夏以降、当社にも仕事が回るようになってきた。(建設業:とび・土木工事)
・ECサイトに力を入れており、今後は海外への販路拡大も期待している。(小売業:中古カメラ)
・人件費が徐々に増加し経営を圧迫しているほか、ネット通販の台頭で売上が減少している。(卸売業:自動車補修部品)
~付帯調査「中長期(2021年~2025年)の見通しについて」~
○中長期(2021年~2025年)において経営環境に大きく影響を与える要素として、「国内需要の動向」が59.1%と最も高く、次いで「人口減少・人手不足の動向」が43.8%、「個人消費の動向」が42.2%となった。
○中長期を見据えて注力していきたい項目として、「人材採用・人材育成」が49.9%と最も高く、特に人手不足が顕著である建設業では、8割近くの企業が「人材採用・人材育成」を挙げるなど、熟練工の高齢化に伴う次世代の人材育成を主眼に乗り越えようとする姿勢が窺える。
○直近1年間の業況と比較した中長期の業況の見通しについて、「良くなると思う」「どちらかと言うと良くなると思う」と回答した企業は32.1%、「悪くなると思う」「どちらかと言うと悪くなると思う」と回答した企業は39.0%となった。
○企業の声
・オリンピック関連の工事で先送りにされた商業施設の工事が始動すれば、受注が増加する。(製造業:店舗用備品)
・新分野への展開が具体的になり、売上・利益増加の展望が見えてくる。(卸売業:食品添加物)
・IoT・AIの活用が進み、IT分野の人材育成ニーズが高まる。(サービス業:研修)
東商けいきょう2018年10~12月期集計結果(本文)
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担当 山本・石村・新家
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