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「会社法改正に関する意見」を提出

2018年4月12日
東京商工会議所
産業政策第一部

東京商工会議所(三村明夫会頭)は4月12日開催の第705回常議員会で、経済法規委員会(委員長:大島博・㈱千疋屋総本店代表取締役社長)がとりまとめた標記意見を決議した。

 本意見書は、本年2月に法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会で「中間試案」が取りまとめられ、パブリック・コメントが募集されたことを受け、取りまとめたものであり、4月5日、大島経済法規委員長が法務省に出向き、葉梨法務副大臣に手交したほか、日本商工会議所と連名で法務省をはじめ関係省庁に提出した。

本意見書では、今回の中間試案で提示された、株主総会資料の電子化など社会の変化への対応や、ガバナンスを強化する意義については理解するものの、企業のうち99.7%を占める中小企業の多くは、株式の所有と経営が一致しており、上場会社などで想定される株主と経営者の利害対立が存在しないことから、会社法の規制により形式的な手続きを強制するのではなく、現場の実態をふまえた使い勝手の良い制度とすることを求めている。

主な内容

主な意見は次のとおり。

○総論

株式の所有と経営が一致する中小企業では株主と会社の利害調整が必要なく、会社法の強い規制は不要
今般の中間試案では、株主総会資料の電子化など社会の変化に対応するものは評価しており、また、ガバナンス強化の必要性は理解する。ただし、理念先行の改正ではなく、会社法の主要ユーザーである会社に実際に利用される改正となるよう、企業の自主性を重視し、企業の経営と実務の現場の実態を十分に踏まえ、使い勝手の良い制度とすべき


○株主総会資料の電子提供制度

電子提供制度の整備は、基本的に賛同。ただし、株主数が少ない上場会社にとって、電子提供措置のメリットを十分に享受できないため、義務化ではなく会社が任意で選択できるようにすべき
電子提供開始日は、株主総会資料の準備が間に合わない懸念があるため、現行の招集通知の発送期限と合わせ、2週間前とすべき
定款の定めにより株主総会資料を書面にて交付をしないことも可能にすべき


○社外取締役設置の義務付け

義務付けをする必要なし。上場企業に対するコーポレート・ガバナンス・コード適用からまだ間もない。現在、社外取締役の設置は急速に進展、また経営への効果や課題を検証する段階であり、企業努力を見守るべき


○会社補償/役員等賠償責任保険(D&O保険)契約

実務上問題なく運用されており、規定を設ける必要はない。金額や相手など詳細な情報開示義務は不適当


○取締役個人別報酬等の決定の再一任

手続きを設ける必要はない。近親者あるいは近い関係者で構成される取締役会を持つ中小企業に対して、取締役会の決議を求めることに疑問

○株式交付

制度を設けることを歓迎。親会社が子会社の議決権の40%以上を取得し実質的な支配が及ぶ場合や、子会社化後に追加の株式取得でも本制度の利用を可能とすべき 

意見書を手交する大島委員長(左)と葉梨副大臣

意見書を手交する大島委員長(左)と葉梨副大臣

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
産業政策第一部
担当 宇山、小田、小倉、清水
TEL 03-3283-7630