会頭コメント

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緊急経済対策について

1998年11月16日
東京商工会議所

1.まずは過去最大の大型経済対策が打ち出されたことを歓迎する。特に、首相自ら国民に向かって説明されたのは意義がある。来年度の経済成長をプラスに転じ、平成12年度は着実に景気を回復軌道に乗せる姿勢を明確に打ち出した政府の意気込みを評価したい。事業規模からみても、かなりの実効性を期待できると思う。

2.今回の不況が単に循環型でない以上、構造転換を伴う対策が不可欠だが、21世紀先導プロジェクト、生活空間活性化策、産業再生・雇用対策、社会資本の重点整備方針を打ち出したのは、構造転換を促すと同時に企業や国民のマインドにプラスに作用することが期待される。
 社会資本の整備については、情報通信や環境・福祉、都市再生、産業競争力強化などの分野に重点投資するのは、当然の流れであり、今後これらの比重を一層高めていくべきだ。一方、民間の期待するPFIもぜひ推進してもらいたい。
 また、中小企業の活性化を含む産業再生計画の策定と雇用の安定については、抜本的な対策を勇断をもって実行してほしい。
 いずれにせよ、予断を許さない経済の現状からみて、景気回復への即効性や雇用創出効果の高いものを当面は優先してもらいたい。

3.貸し渋りの問題については、商工会議所がかねて要望していた中小企業に対する融資枠の拡大や、中堅企業に対する金融支援が強化されることになったのは適切な措置として歓迎する。
 また、中小企業への貸し渋りに対する監視体制が強化されることになったのも結構なことである。

4.税制については、臨時国会での税制関連法案の審議が先送りになったのは残念だが、所得税等の減税、法人課税の実効税率の引き下げが明記されたことは歓迎できる。今後、早急に具体化してもらいたい。

5.いずれにせよ、国会での必要な法改正や予算措置を早く決定し、今回決まった対策を思い切って実行することが重要であり、実体経済の動きに細心の注意を払いつつ、今後とも臨機応変の対応を望みたい。
 なお、財革法の一時凍結は、景気の現状からみて適切な措置である。

以上