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「連携・協働の商業まちづくり共同宣言」~連携・協働して地域のまちづくりと地域商業活性化を~

平成16年6月2日
東京商工会議所

まちづくりと地域商業活性化に向けた
商店会・チェーン店関係団体協議会

(略称:商業まちづくり協議会)

東京都商店街振興組合連合会
東京都商店街連合会
日本チェーンストア協会
社団法人日本フランチャイズチェーン協会
社団法人日本ボランタリー・チェーン協会
東京都商工会連合会
東京都商工会議所連合会
東京商工会議所

1 宣言

 現在の商店街は、従来からの個店とスーパー、コンビニなどのチェーン店が混在する形で構成されている。それぞれは時代の要請に応えて生まれ、発展してきたものであり、共に地域商業にとってなくてはならない存在であるが、総じてこれまでは、お互いが十分に連携・協力してまちづくりや地域商業活性化に取り組んできたとは言えない状況にある。

今日、全国の中心市街地の多くは空洞化と衰退の一途をたどり、その中核をなす商店街は存亡の危機に瀕している。一方そうした中にあっても、近年、各地の商店街ではイベントや祭り、文化、防犯、環境美化、高齢者福祉、子育て支援などの活動を通した新たなまちづくり、地域おこしの萌芽が見られる。そうした活動は、必ずしも商店主たちだけで支えられているわけではなく、地域住民が共に担っていることが少なくない。商店街が単にものを売る機能だけでなく、地域コミュニティの核として、まちづくりや地域の活性化を推進する役割をもつことが再認識され始めている。

しかし、これまで商店街を支えてきた商店会組織は、高齢化や後継者不足で活力が低下していることも事実である。今後、まちづくりや地域の活性化をさらに推進していくためには、個店であるか、スーパー、コンビニなどのチェーン店であるかを問わず、商店街を構成するすべての店舗が、連携・協働して地域との係わりを深める各種事業に取り組んでいくことが不可欠となっている。

以上のような認識に立って、我々地域商業に関わる8団体は一堂に会し、「まちづくりと地域商業活性化に向けた商店会・チェーン店関係団体協議会」(略称:商業まちづくり協議会)を発足させ、地域社会での連携・協力の方向性や具体的な取組について議論を重ねてきた。                                             その結果、今後は店舗の規模・経営形態に関わらず、地域社会の発展を担うべき商業者として互いに連携・協働し、地域コミュニティの再生と活性化に貢献していくことを共通の目標にすることで意見が一致した。

我々は、この目標を達成するために、あらゆる努力を払っていくことをここに宣言し、以下のような行動目標を提案する。

我々は、この宣言が各地域の商店街を構成する事業者に広く理解され、これらの行動目標に沿った具体的な活動が展開されることを期待する。

2 まちづくりと地域商業活性化に向けた行動目標

○まちの賑わいづくり(イベント・祭事)への取組

現在、都内の各商店街では数多くのイベントが実施されている。これら商店街イベントは、これまでは単に商店会の集客活動としての性格が強かったが、最近では周辺の町会、学校、企業、市民などが参画する地域活性化事業として、地域コミュニティの再生と活性化に貢献するイベントとなっている例が増えている。ボランタリー・チェーン協会でも、地域活性化のための各種事業に加盟店が参加するよう奨励している。
大手チェーンストアでは、地元の祭事に大勢の社員が参加したり、資金協力を行うなど地域に貢献している例がある。フランチャイズチェーン協会でも、加盟店に対し地元の祭事やイベントへの協力を奨励している。
今後、商店街に立地するこれら商業者は、地域を活性化する各種のイベントや祭事に可能な限り参画し、共に連携・協働して、地域おこしやコミュニティづくりに尽力していく。

○地域の防犯・防災への取組

商店会では、これまで街路灯などを整備し、夜中でも安心して歩ける商店街の環境づくりに努力してきた。最近では、防犯カメラの設置や、自警団活動など安全・安心なまちづくりの面で、地域への貢献活動に一層力を入れている。
一方、コンビニエンス・ストアでは、深夜営業の利点を生かして"まちの灯台"としての機能を果たすため、今後、「セーフティステーション活動」を都内全域で展開し、地域の安全を高める取組を更に強めていこうとしている。
また、交通安全週間、防災訓練に、商店会とチェーンストアが合同で参加し、警察署、消防署などと連携して、街ぐるみの取組をしている例も見られる。
近年、青少年の健全育成上、大きな問題となっている「万引き」の横行に対しても、警察に頼るだけでなく、商業者と地域が一緒になって取り組んでいくことが重要になっている。
商店街に立地する商業者は、これらの活動においてそれぞれの特性を活かしながら相互連携することにより、地域の防犯・防災への取組を一層強め、安全・安心なまちづくりに貢献していく。

○地域の環境美化・リサイクルへの取組

商店会では、商店街周辺の環境美化などに取り組んでいるところが多いが、最近では、地域の高齢者ボランティアや小中学生の地域貢献活動と連携して、地域の清掃や花壇づくりなどを行う例も多くなっている。また、ペットボトルや空き缶回収機を設置し、ポイントカードにポイントを付加するなどの取組が各地で盛んに行われている。
日本チェーンストア協会では「チェーンストアは街のオアシス」を標語に、ゴミ減量、ノーレジ袋運動、資源循環などの環境問題に積極的に取り組んでおり、大手チェーンストアでは、資源回収のほか、社員による店舗周辺の清掃などに取り組んでいるところもある。
コンビニエンス・ストアも、これまで一貫してペットボトルや空き缶の回収に大きな役割を果たしてきたが、最近では「ボランティアサポートプログラム」として、店舗前道路の清掃、緑化活動を実施しているチェーン店もあり、またレジ袋削減や環境教育にも力を入れている。 商店街に立地する商業者は、これらの活動における相互連携の方策を探り、地域の環境美化・リサイクルがコミュニティ活動として広がりをもって展開されるよう協力していく。

○地域福祉への取組

大手チェーンストアは、ノーマライゼーションへの社会的要請の高まりに応じて、手話による接客、買い物の付き添い、施設のバリアフリー化などの取組を強めている。
コンビニエンス・ストアでも、老人ホーム慰問や保育施設へのお菓子の差し入れなどの地域貢献活動に取り組んでいる例がある。
商店会では、高齢者に対する宅配サービスや空き店舗を活用した子育て支援事業、視覚障害者向け点字・音声ガイドなど地域福祉の向上を目指す取組が盛んになっている。
商店街に立地する商業者は、これらの活動においても相互連携を進め、地域福祉の増進に貢献していく。

○まちづくりと地域商業活性化に向けた連携・協働
まちづくりと地域商業活性化に向けて、商店街がその機能を効果的に発揮するためには、すべての構成店舗がその個性を発揮しつつ、協力して活動することが望ましい。 
商店会は、商店街構成店舗のすべてが一致協力して活動できるよう、まちづくりと地域商業活性化に向けた活動計画を提案し、一方、商店街を構成する事業者は、規模や業態の違いを越えて、事業者の社会的貢献、地域社会との共生やまちづくりへの投資という観点からこれに真摯に呼応し、商店会およびその地域振興活動に積極的に参画し、様々な形で、役割を果たしていく。

3 今後目指すべき方向性

○商業まちづくり協議会は、まちづくりと地域商業活性化に向けた連携・協働のあり方を更に幅広く浸透させるため、未参加の団体にも理解を求め、今後とも継続的に意見交換を進めていく。

○ 商工会議所及び商工会は、都内各地域の事業者にこの宣言の趣旨が浸透し、具体的な活動が展開されるよう、行政と連携を図りつつ、各地域における商業まちづくりのコーディネーターとしての役割を果たしていく。