中小企業の経営課題に関するアンケート調査結果
東京商工会議所
東京商工会議所(山口信夫会頭)の中小企業委員会(委員長:井上裕之副会頭・愛知産業社長)では、「中小企業施策に関する要望」の取りまとめに向けて、例年実施している標記アンケート調査を行った。
調査期間は2月19日から3月2日で、対象は会員の中堅・中小企業1,279社(回答企業数299社、回答率23.4%)。
【 調査概要】
■1.今後重視する経営課題は、「人材の確保・育成」が最も多い。
・直面している経営上の問題点(Q2)では、「同業者との競争激化」や「販売価格の低下・上昇
難」、「需要の低迷」との回答が多いことから、景気回復が中小企業にあまねく浸透していない
状況にあると思われる。
・そうした状況の中で、今後重視する経営課題(Q3)は、昨年に引き続き、「人材の確保・育
成」との回答が約6割と最も多く、経営課題の解決に必要な経営資源(Q4-1)でも「人材」と
の回答が約8割に達している。
・さらに、経営上、影響を受けそうな経済・社会環境の構造変化(Q1)では、「労働市場の変
化」との回答が、また、直面している経営上の問題点(Q2)では「従業員の確保難」との回
答がそれぞれ増加していることから、大企業が採用意欲を強めている中で、中小企業が人
材確保を課題としていることがうかがえる。
■2.法人実効税率の引き下げや事業承継税制の確立、担保・保証人に依存しない融資制度の
強化を望む声が強い。
・税制上望まれる措置(Q5)は、「法人実効税率・中小企業軽減税率の引き下げ等」が約6割
を占めたことに加えて、「事業承継税制の確立」や「固定資産税等の引き下げ」を望む声が
依然として高い。
・今後強化すべき金融関連支援策(Q6)は、「無担保・無保証人融資の普及・定着」や「個人
保証のさらなる是正」と回答した企業がいずれも半数を超えた他、「政府系金融機関による
融資の拡充」や「民間金融機関による融資の積極化」を求める声も依然として高い。
・今後強化すべき中小企業支援策(Q7)は、「中小企業関連税制の拡充」と回答した企業が
約5割で増加傾向にある他、「人材育成への支援」や「資金調達円滑化」を望む声が依然と
して高い。
東京商工会議所
中小企業・支部担当部
TEL 03-3283-7643