2010年新卒者等採用動向調査について
東京商工会議所
東京商工会議所(岡村正会頭)はこの度、企業の新卒者等の採用動向を探るため毎年行っている「新卒者等採用動向調査」を実施し、結果をとりまとめた。
対 象:会員中堅・中小企業5,000社(①資本金1,000万円から1億円での無作為抽出4,247社および
②規模・業種を問わず、東京商工会議所の人材関連サービス利用実績を有する企業753社)
調査期間:平成22年2月5日~3月5日。回答企業数881社(回答率17.6%)
調査結果:概要は以下のとおり
【 調査概要】
【2010年4月の採用動向】
●定期採用を行う企業(262社)の約2割(57社)が今年の採用を見送り
調査対象企業のうち、原則として毎年定期採用を行っている企業は29.7%(262社)。うち、4月に採用予定のある企業は8割に留まり(78.2%(205社))、2割(21.8%(57社))の企業が新卒採用を見送った。今年採用を見送った理由として最も多いのは、「経営の先行き不透明感」によるもので47.4%に上り、「直接的な経営の悪化」とする企業も24.6%と、7割以上の企業が経済情勢の悪化を理由としている。
●採用人数-4割の企業が対前年で減らす
定期採用を行う企業で、今年4月に「採用予定あり」とする企業のうち、対前年比で採用を減らした企業は41.0%(84社)に上った。理由として「経営の先行きが不透明なため」とする企業が約半数の47.6%(40社)と最も多い。但し、対前年比で採用人数が「増えた」とする企業も26.8%(55社)あり、その理由の4割(40.0%(22社))は「不況下で買手市場であったため、例年以上に良い人材を確保するチャンスであった」としている。
【2011年4月の採用動向】
●2011年の採用予定-2010年以上に厳しさが増す
2011年の採用動向について、定期採用もしくは不定期等で新卒採用を行う企業(508社)のうち、「採用予定あり」と回答した企業は45.5%(231社)に留まり、「未定」が24.2%(123社)、「採用予定なし」とした企業は約3割(29.3%(149社))に上る。具体的な採用人数の増減については対前年比で「減らす」とした企業が14.7%と、「前年より増やす」(7.8%)を上回った。
また、定期採用を行う企業だけを対象とした場合も、「前年より減らす」とした企業が15.5%で、「前年より増やす」(8.8%)を上回っており、今年以上の厳しさが予想される。
●採用活動の開始時期は遅れる傾向
2011年の新卒採用活動開始時期で最も多かったのは「2010年4月~6月」の37.7%(87社)、対前年比で13.2ポイント増加。昨年調査では「1~3月」が最も多く42.3%であったが、今年は6.4ポイント減少し35.9%(83社)と、概ね採用活動時期を遅らせる傾向が出ている。
【中途採用動向】
●採用意欲は昨年以上に減退
ここ1年間で中途採用を行った企業は54.4%(479社)で、対前年比29.2ポイントの大幅減。今後1年間の中途採用の意向についても、「採用予定あり」とした企業は33.0%(158社)で、対前年比で21.2ポイントの減少となり、中途採用市場は新卒採用以上に厳しくなると見られる。
東京商工会議所
人材支援センター
担当 大井川・石井
TEL 03-3283-7537