会頭コメント

会頭コメント

高市内閣の発足について

2025年10月21日
東京商工会議所

 本日、高市内閣が発足した。政権運営が大きな転換点を迎える中にあって、内外の経済情勢は一刻の猶予も許さない状況である。新内閣におかれては、国論を一つに束ねる力強いリーダーシップを発揮し、与野党の建設的な議論を促すことで、政策の停滞を招くことなく、諸課題に果断に取り組まれることを強く期待する。

 わが国経済は、成長型経済への移行に向けた正念場を迎えている。賃上げや物価・金利の上昇が見られる一方、米国による関税措置など、経済の不確実性は依然として高い状況にある。
 このような状況下、わが国企業数の99.7%、雇用の約7割(3大都市圏を除くと約9割)を占める中小企業は、円安・原油高に伴う原材料・エネルギー価格等の高騰などのコストプッシュインフレにより、苦境が続いている。併せて、人手不足や労務費増加、さらには消費低迷など数多くの課題に直面している。とりわけ、最低賃金は過去最大の上げ幅となり、中小企業・小規模事業者にとって極めて厳しい水準である。
 こうした中、成長型経済へと移行し地域経済の好循環を実現するには、成長戦略や金融・為替対応など将来を見通せる適切なマクロ政策や、「中小企業の稼ぐ力の強化」と「地域経済の活性化」に向けた政策を、立案・実行していくことが不可欠である。
 「中小企業の稼ぐ力の強化」にあたっては、価格転嫁など取引適正化や付加価値の創出・拡大に取り組むことにより、持続的な賃上げや成長投資の原資を確保することが求められる。
 また、「地域経済の活性化」に向けては、「地域の稼ぐ力」を高め、新たな投資や消費を喚起する「地域経済の好循環」を実現することが必要である。

 全国515の商工会議所は、こうした時代の転換点にあって、自己変革に不断に挑戦する中小企業・小規模事業者の取組や地域経済の活性化を、全力で後押しする所存である。

以上