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「中小企業の経営課題に関するアンケート結果」について

2021年11月26日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、中小企業委員会(大久保秀夫委員長・副会頭/㈱フォーバル会長)において、標記調査結果をとりまとめましたので、お知らせします。
 中小企業委員会では、会員企業の経営実態に即した支援策の実現を目指し、例年、「中小企業対策に関する重点要望」を国、東京都をはじめ関係方面に提出しています。本調査は、新型コロナウイルスによる影響をふまえ、中小企業が抱える経営課題を検証し、要望事項のとりまとめに供するため、23区内中小企業・小規模事業者を対象に実施したものです。

【 調査結果の主なポイント】

1.新型コロナウイルスによる影響(売上、収益等)
・売上・収益は全体として回復基調にあるものの、コロナ感染拡大前の水準には戻っていない。(調査結果(全体版)P9)
・業種別では、情報通信業では売上が増加した事業者の割合が最も高く、飲食・宿泊業は一昨年に比べて売上が50%以上減少した事業者が約7割を占める。また、同じ業種の中でも売上が増加・減少、収益が黒字・赤字の企業が混在しており、K字回復の様相が見て取れる。(P10~11、19~21)
・本年3月以降、47.4%の企業が何らかの補助金・助成金(※月次支援金・協力金や感染拡大防止協力金、家賃支援給付金は除く)を利用し、特に雇用調整助成金は27.0%が利用している。また、事業再構築補助金(6.5%)や、テレワーク関連助成金(8.1%)・IT導入補助金(5.4%)など、IT関連の施策も多く活用されている。(P23)

2.資金繰り
・約7割の企業が新型コロナウイルス関連融資を利用している。(調査結果(全体版)P25)
・昨年4月より、中小企業再生支援協議会の支援により最長1年間の返済猶予要請が可能となる「新型コロナウイルス特例リスケジュール」が措置されているが、認知度は高くない。(P28)

3.ウィズコロナに向けた取り組み
・昨年3月以降、コロナ禍において6割の企業が新しい取り組みを行っている。具体的には、「人材の採用・開発・教育の強化」が最多の27.8%であり、新分野展開や業態転換など「事業再構築」に取り組む企業も存在する。(調査結果(全体版)P22)
・ITを活用するうえで、約7割の企業が何らかの課題を抱えている。具体的には「IT導入の旗振り役が務まるような人材がいない」「従業員がITを使いこなせない」など人材に関する課題が多い。(P34)

4.大企業との取引(調査結果(全体版)P29~30)
・大企業との取引のある企業のうち44.4%が何らかの問題・課題を感じており、具体的な内容として最多となったのが「新型コロナウイルスによる業況悪化のしわ寄せ」で15.9%。
・「手形・売掛金の支払いサイトが長い」や「手形の割引料・ファクタリングの際の費用」といった支払い条件に関する課題や、「コストの価格転嫁が認められない」「根拠の不明な値下げ要請」など、価格交渉における課題も多い。

以上

対 象:23区内中小・小規模企業8,000社
期 間:2021年9月15日~10月6日
回答数:1,524社(回収率19.1%)(うち小規模企業者 708社 (46.5%))

「中小企業の経営課題に関するアンケート」調査結果、調査票

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 菅原、植井、小野寺、大山
TEL 03-3283-7724