平成20年度与党税制改正大綱について
東京商工会議所
今般の与党税制改正大綱は、わが国の経済活性化・競争力の強化や地域・地場経済の再生等の観点から取りまとめられたが、とりわけ中小企業の活性化については、起業、成長、事業承継の各段階で手厚い配慮をいただいたことを高く評価したい。
特に、全国の中小企業者にとって、長年の悲願であった抜本的な事業承継税制の確立については、今般、取引相場のない株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税猶予制度の創設などをご決定いただいたことは、大変、画期的なことである。今後、中小企業の事業承継の円滑化が図られ、事業の存続・発展や雇用の維持・拡大がなされるとともに、地域経済の活性化が促進されるものと期待している。
今回創設いただいた制度が、来年10月1日をもって着実に実施できるよう、事業継続円滑化法(仮称)の次期通常国会での早期成立など、関連する所要の措置を図っていただくよう、引き続き関係各位のさらなるご尽力をお願いする。
また、人材投資促進税制について、中小企業が使い勝手のよい制度として拡充強化のうえ延長されたこと、エンジェル税制について、設立3年以内の特定中小会社に対する出資に関し1,000万円までの寄付金控除制度が創設されたこと、地域を元気にするための農商工連携に関する所要の税制措置が講じられたことなど、大幅な見直しが行われた。さらに、研究開発促進税制・情報基盤強化税制の拡充・延長、減価償却制度の一層の見直し、中小企業投資促進税制・少額減価償却資産特例の延長などが講じられたことも、中小企業等の成長力の底上げや生産性向上に資するであろう。
なお、道路特定財源について、平成20年度以降10年間、現行の税率水準を維持するなど、地方幹線道路等を早期に整備するための枠組みが維持されたことは、地域間格差の是正や地域活性化のためにも大いに役立つものと考えている。