会頭コメント

会頭コメント

平成29年度与党税制改正大綱について

2016年12月8日
東京商工会議所

 本日決定された平成29年度与党税制改正大綱は、地域経済・中小企業の活力強化を通じて、経済の好循環の実現に寄与する内容が盛り込まれたものとして評価したい。
 特に、中小企業の設備投資を促進する税制措置の対象設備の拡大は、サービス産業が8割を占める中小企業の生産性向上に寄与するものとして大いに歓迎する。また、地域未来投資促進税制の創設や研究開発税制の拡充により、第4次産業革命が強力に推進されるとともに、地域経済の中核を担う中小・中堅企業の活性化を通じて、地域経済への波及効果が期待される。
賃上げについては、収益を上げ、賃上げできる環境にある企業は積極的に行うべきであり、所得拡大促進税制の拡充は、そうした中小企業の賃上げの支援につながるものと考える。
 中小企業者から要望の強い事業承継税制は一歩前進したが、今後、一層深刻化する経営者の高齢化、後継者難を踏まえれば、事業承継税制の抜本的な見直しが必要である。引き続き、商工会議所として事業承継税制の拡充を要望していく。
 配偶者控除・配偶者特別控除の見直しについては、パート労働者の就労時間拡大に一定の効果はあるものの、106万円、130万円の社会保険料の壁は依然として残っている。所得控除から税額控除への変更など、税制・社会保険料の両面から見直していく必要がある。

以上