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ペイオフの全面解禁延期に関する要望

2002年7月11日
東京商工会議所

 

要望

 政府は景気底入れとの判断を示しているが、中小企業は未だその実感に乏しい。わが国経済は依然としてデフレ基調にあり、中小企業は、受注減少や販売価格低下による収益力低下に喘いでいる。
 加えて、民間金融機関は、地価や株価下落による保有資産の劣化や不良債権処理に伴う負担が重くのしかかり、自己資本の充実などの経営健全化に苦闘している。このため、企業・事業融資に対する姿勢をさらに厳格化しており、中小企業においては、既存融資に対する金利引上げ要請など、資金調達における新たなコスト負担が顕在化している。

 本年4月に定期性預金についてペイオフの解禁が実施されたが、すでに定期性預金から要求払い預金へのシフトは勿論のこと、信用金庫・信用組合など地域・中小金融機関からの預金流出の動きが表面化しているほか、地方公共団体等の公金等についても預金先のシフトが顕著となっている。
 折しも、景気に対する先行き不透明感が再び高まりつつある中、金融システム安定化の見通しが立たないまま、ペイオフの全面解禁を強行するならば、地域・中小金融機関からの預金流出が加速することは間違いない。
 このような事態となれば、地域・中小金融機関に中小企業の育成、起業支援、地域社会の活性化といった本来担うべき機能をもはや望めなくなるばかりか、中小企業の安定的な資金調達の途を閉ざすことになりかねない。

 したがって、政府は、国内需要を喚起する経済・財政運営を行ない、不良債権の新規発生を極力防止するとともに、金融機関に早期の体質改善を促されたい。
 同時に、深刻度を増す中小企業の資金調達環境に配慮する観点から、中小企業の資金決済の基本をなす当座預金等の安定的確保のため、来年4月に予定されているペイオフの全面解禁を、景気の自律的な回復が確実となり金融システムへの信頼が確立されるまで延期すべきであり、これを早急に決定されたい。

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所