「金融重点強化プログラム(仮称)」に関する意見
東京商工会議所
景気回復の広がりが地域経済や中小企業にあまねく及んでいる状況にはない中、経済指標の多くが悪化傾向を示すなど、景気が減速の度合を増している。
中小企業の金融情勢は、資金繰りや金融機関の貸出姿勢に関する判断指数について概ね改善傾向が維持されているものの、ペイオフ全面解禁の予定を控えて予断を許さない状況にある。
政府においては、「金融重点強化プログラム(仮称)」の策定準備を進めつつあるが、以上の点に鑑み、中小企業の金融円滑化を阻害することのないよう、特に下記の点について留意願いたい。
提言
記
1. 「金融重点強化プログラム(仮称)」については、数値目標の導入を含めて 検討されているが、中小企業の固有の信用力など数値指標では計れない要因を重視しながら、 地域経済の再生や活性化をめざすリレーションシップバンキングの趣旨にも反しかねない。 とりわけ不良債権比率について数値目標を導入した場合には、金融機関が目標達成を優先する ことにより、貸し渋り等の再燃が強く懸念される。
数値目標は、中小企業の資金調達に重大な支障を来たしかねないことから、定めるべきでない。
2. 金融機関が経営健全化の一環として行う、新たな金融商品の販売や経営情報の提供等に際して、優越的地位などを利用して取引先の中小企業に不必要な負担を強いることのないよう、留意が必要である。
平成16年度第14号
平成17年1月13日
第555回常議員会追認
東京商工会議所