「世界に冠たる観光都市・東京を実現するための観光政策に関する意見35」について
東京商工会議所
地域振興部
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催の第663回常議員会において、観光・まちづくり委員会(委員長:佐々木隆副会頭・ジェイティービー相談役)がとりまとめた標記意見書を別紙の通り決議しましたので、お知らせします。
2020年オリンピック・パラリンピック東京大会を追い風に、訪日外国人旅行者数2000万人の高みを目指し、関係各所において取り組みが加速しています。ここ東京においては、国内旅行者数が約5億人、また訪日外国人旅行者の6割超の681万人が訪れており、観光政策を強化すべきなのは明らかです。
しかし、2020年を迎えるにあたっては、訪都意欲を醸成させるための「東京ブランド」の戦略的構築と発信をはじめ、首都圏空港の容量の拡大、既に高稼働率で推移している宿泊施設や、旅行者を惹きつける地域資源の開発、観光分野における人材育成、旅行者に対する危機管理体制の確立等、ハード・ソフト両面の課題が山積しており、限られた時間の中で、包括的に解決を図らなければなりません。
そこで、本意見書では、東京都に対して、世界の都市間競争を勝ち抜き、世界に冠たる観光都市・東京としての確固たる地位を確立するため、とりわけ以下の項目に関して、戦略的・計画的に取り組むことを求めております。
今後、東京都をはじめ関係各方面に提出し、意見内容の実現に向けた働きかけを行ってまいります。
【各意見項目の概要】
【1.東京の魅力向上】
(1)東京ブランドのさらなる構築と強力な訪都プロモーションの展開
(都市観光の推進、外国人の視点を活かしたインバウンド誘致等)
(2)訪れて良し住んで良しのまちづくりと一体となった観光振興の推進(都市の賑わい創出、舟運ネットワークの構築等)
(3)地域の魅力を高める観光資源の開発(芸術文化政策との連携、産業の連携による地域資源のブランド化等)
(4)観光振興における横断的な推進体制の構築と戦略的・計画的な取り組みの推進(オール東京体制の構築等)
【2.受入環境のさらなる整備】
(1)快適な移動・宿泊のための環境整備(首都圏空港の機能強化、宿泊施設の受入環境整備等)
(2)快適な滞在のための環境整備(多言語対応の改善・強化、観光案内機能の充実・強化等)
(3)消費行動を促進する環境整備(旅行者向け免税制度の活用促進、異文化対応の強化等)
(4)旅行者に対する危機管理体制の確立(宿泊施設に対する耐震改修に関する補助制度の創設等)
(5)外国人旅行者に対する危機管理体制の確立(初期対応マニュアルの周知や研修の実施等)
【3.MICE振興のさらなる加速】
(1)MICEにおけるマーケティング力の向上(取組分野の重点化、競合先との差別化の推進等)
(2)MICE誘致における財源確保(MICEの意義・効果の周知、CBの財源確保への支援等)
(3)MICEにおける受入環境の整備(東京独自の都市型MICEの推進等)
(4)MICEの魅力向上に向けたユニークベニューの促進(施設のデータベース化、開発促進等)
【4.人材の育成と活用】
(1)観光分野における優秀な人材の育成と確保(通訳案内士・観光ガイド、ボランティア人材、観光産業人材等)
東京商工会議所
地域振興部
担当 清水・渡邊
TEL 03-3283-7658