会頭コメント

会頭コメント

日本銀行総裁・副総裁人事の国会同意について

2013年3月15日
東京商工会議所

 政府が提示した日本銀行総裁、副総裁人事案が、衆参両院において同意されたことを歓迎する。総裁に就任することとなった黒田東彦氏は、国際金融分野において豊富な経験、識見を有しておられる。また、アジア開発銀行総裁として、組織運営に優れた手腕を発揮されてきた。グローバル時代の金融政策を担う日銀トップにふさわしい方である。副総裁に就任する岩田規久男氏、中曽宏氏とともに、適切な人選であり、政策実行力に期待したい。
 景気は、平成24年10~12月期の国内総生産(GDP)が四半期ぶりにプラス成長に転じるなど底入れ感が鮮明になっており、先行きにも明るい見通しが広がっている。この流れを本格的な成長へつなげていくには、平成24年度補正予算および平成25年度予算の執行から成長戦略の策定、実行へと切れ目なく展開していくとともに、長年の懸案であるデフレからの脱却が不可欠である。新総裁には、政府との緊密な協力のもと、強い意志と大胆な金融緩和策によって、政府と共有した2%の物価上昇率目標の早期実現に全力を尽くしていただきたい。

以上