東京都の災害・リスク対策に関する要望について
東京商工会議所
地域振興部
東京商工会議所(小林健会頭)は、災害・リスク対策委員会において、標記要望を取りまとめましたのでお知らせします。
昨年は能登半島において地震と豪雨により甚大な被害を受けたほか、8月には「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。さらに、本年7月にはカムチャツカ半島付近を震源とした地震の影響で、国内でも広範囲に津波警報が発表される等、度重なる災害に対して事業者は緊張感を一層高めています。こうした自然災害に加え、サイバー攻撃や感染症、紛争、テロ・ミサイル攻撃等、わが国を取り巻くリスクは多様化・複合化しており、事業継続に向けた備えが必要不可欠です。
このほか、本年1月に八潮市で発生した道路陥没事故をはじめ、都市インフラの老朽化問題が顕在化しており、災害時の円滑な復旧活動やレジリエンスの観点からもインフラの老朽化対策も喫緊の課題です。
このような状況を踏まえ、自助・共助の力を高めるための支援強化、都市インフラの老朽化対策、新たな被害想定を踏まえた首都直下地震対策、頻発化・激甚化する風水害に備えた対策を重点項目として要望しています。
今後、東京都等の関係先に対して本要望の実現を働きかけるとともに、引き続き、東京都と緊密に連携し、東京における企業の災害・リスク対策の促進に取り組んでまいります。
東京都への要望事項
Ⅰ.重点要望項目 *は新規項目
1.自助・共助の力を高めるための支援強化
(1) BCP策定支援・訓練の促進
(2)事象別BCPからオールハザード型BCPへの転換推進
(3)災害訓練に係る支援
(4)備蓄品整備に係る支援
(5)災害時における民間企業のノウハウ・資源の活用
(6)企業や地域の防災力向上に資するリーダー人材育成
(7)地域防災力の向上に資する活動の強化
2.都市インフラの老朽化対策
(1)老朽化するインフラの速やかな現状把握とリスク評価
(2)効率的なインフラ整備の推進
(3)インフラ整備に係る担い手確保 *
(4)建設業者への熱中症対策支援 *
3.新たな被害想定を踏まえた首都直下地震対策
(1)電力の確保推進、通信ネットワークの整備、無電柱化
(2)実効性ある帰宅困難者対策の推進
(3)民間一時滞在施設に係るリスク低減措置の実施
(4)行政と協定を締結した民間一時滞在施設に対する支援拡充
(5)液状化対策の推進
(6)中小ビル・木造住宅密集地域対策の推進
(7)エレベーター閉じ込めに備えた対策
4.頻発化・激甚化する風水害に備えた対策
(1)流域治水・高台まちづくりの推進
(2)線状降水帯やゲリラ豪雨等の大規模風水害対策の着実な実施
Ⅱ.継続要望項目
(1)レジリエントなまちづくり(陸・海・空の主要な交通施設の強化 等)
(2)迅速な復旧体制の整備、災害・リスクへの社会的意識向上(災害時の円滑な物資輸送体制の構築 等)
(3)多様化する災害・リスクへの対策強化(情報セキュリティ対策の強化 等)
東京商工会議所
地域振興部
TEL 03-3283-7621
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