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東商けいきょう2025年7~9月期 結果(中小企業の景況感に関する調査)

2025年9月26日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健 会頭)は、東商けいきょう(東京23区内の中小企業の景況感に関する調査)2025年7~9月期の集計結果をとりまとめましたので、お知らせします。

【調査要領】
▽期間:2025年8月12日~9月1日
▽対象:東京23区内の中小企業2,797社(回答数:1,088社(回答率38.9%))
▽項目:業況、売上、採算(経常利益)、資金繰り、民間金融機関の貸出姿勢、従業員数過不足
▽方法:WEBおよび経営指導員による聴き取り
▽従業員規模構成:5人以下:430社(39.5 %)、6~20人以下:264社(24.3%)、21~100人以下:279社(25.6%)、101人以上:115社(10.6%)
※全ての質問について、割合は四捨五入(最終値)を行っているため、必ずしも合計が100.0%にならない。

【 ~都内中小企業の景況感は、3期ぶりにプラス圏内。3業種で前期比プラス
  正社員の賃上げ実施企業は60%超。そのうち防衛的賃上げが6割以上~】


■東商けいきょうの主なポイント
都内中小企業の景況感は、3期ぶりにプラス圏内。個人消費の回復が見込めないことなどから、来期はマイナス圏内への悪化を見込む

◇業況DIは前期比2.4ポイントプラスの0.6と改善。コスト高の状況に変化はないが、相互関税に対する不透明感が和らいだことで、3期ぶりにプラス圏内に転じた。
◇業種別では、建設業が7.4ポイントプラスの8.1、サービス業が3.0ポイントプラスの1.2となるなど、3業種でDIが前期比プラスとなった。一方で、小売業が0.1ポイントマイナスの▲2.1となった。
◇来期(10-12月期)の見通しは0.8ポイントマイナスの▲0.3。個人消費の回復が見込めないことに加えて、最低賃金引上げに伴う対応、金利上昇が足かせになるとの声が寄せられた。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○Windows10のサポート切れに伴うPCの入れ替え、ギガスクール商談、レガシーシステムの刷新商談など、需要は非常に旺盛だが、技術者の不足から受注を制限せざるを得ない状況(サービス業:システムインテグレーション)
○インバウンドの増加を背景に売上は増加しているが、派遣社員の補充に伴う人件費増加、電気使用量の増加、設備補修に伴う資機材の値上げにより運営コストは格段に上昇している(サービス業:商業ビル保有運営)


■付帯調査「賃金の動向について」

◇2025年度の正社員の賃金は、「賃上げを実施」が前回調査1.8ポイント増加の63.8%となった。そのうち、「業績は横ばい(49.6%)」・「業績は悪化している(13.3%)」を合計した6割以上の企業は、業績の改善が見られない中で、防衛的な賃上げを実施した。
◇賃上げの実施内容については、「定期昇給」が0.4ポイント増加の70.7%、「ベースアップ」が1.5ポイント減少の52.7%と前年並みを維持。一方で「既存手当の増額」は2.3ポイント増加し7.1%。
◇賃上げを実施した企業における給与総額の引き上げ率は、5%以上の企業が26.1%と最も多く、3%以上の引き上げを行う企業は合計68.2%と、前年同期比1.6ポイント減少したが、昨年に引き続き高い水準となっている。
◇2026年度の正社員の賃金見通しについては、「賃上げを実施予定」が5.3ポイント増加の47.8%。人手不足を背景に、防衛的賃上げの継続が見込まれる。 
◇2025年度に賃上げを実施した企業における持続的な賃上げを行うにあたっての課題は 「賃上げ原資の確保」が78.8%と最も多く、次いで「物価上昇に見合った賃上げの継続」が40.8%、「社会保険料の負担増」が38.5%と、持続的な賃上げへの課題が明確になっている。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○物価高を考えると、少しでも従業員の賃上げをしないといけないと感じている(小売業:和箪笥)
○賃上げ原資はないが、正社員の退職を防止するために賃上げを実施した(製造業:金型・プラスチック成型部品)
○賃上げはしていないが、食事補助などを福利厚生費として計上することで、従業員の社会保険料や源泉所得税などの影響を受けずに、実質手取額を上げている(サービス業:運送)

集計結果

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
TEL 03-3283-7643