東商けいきょう

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東商けいきょう2025年4~6月期 結果(中小企業の景況感に関する調査)

2025年6月26日
東京商工会議所
中小企業部

※2025年6月27日発表資料差し替え
⑨ページ「労務費・人件費の価格転嫁」の数値に一部誤りがございましたので、集計結果の差し替えを行いました。


 東京商工会議所(小林健 会頭)は、東商けいきょう(東京23区内の中小企業の景況感に関する調査)2025年4~6月期の集計結果をとりまとめましたので、お知らせします。

【調査要領】
▽期間:2025年5月14日~5月29日
▽対象:東京23区内の中小企業2,804社(回答数:1,059社(回答率37.8%))
▽項目:業況、売上、採算(経常利益)、資金繰り、民間金融機関の貸出姿勢、従業員数過不足
▽方法:WEBおよび経営指導員による聴き取り
▽従業員規模構成:5人以下:422社(39.8 %)、6~20人以下:267社(25.2%)、21~100人以下:256社(24.2%)、101人以上:114社(10.8%)

【 ~都内中小企業の景況感は、2期連続のマイナス圏内でほぼ横ばい。
設備投資の目的は業務効率化がトップ。4割以上の価格転嫁ができた企業は減少~】


■東商けいきょうの主なポイント
都内中小企業の今期の景況感は、前期比でほぼ横ばい。 米国の相互関税の先行きが見通せず、来期はマイナス幅拡大を見込む

◇業況DIは前期比0.7ポイントマイナスの▲1.9でほぼ横ばい。インバウンド需要が堅調に推移する一方、資材価格の高騰や人手不足によるコスト増が影響し、2期連続でマイナス圏内となる。
◇業種別では、建設業が9.3ポイントマイナスの0.7、製造業が8.0ポイントマイナスの▲1.6と、2業種でDIが前期比マイナスとなった。一方で、小売業が6.6ポイントプラスの▲2.0、サービス業が4.1ポイントプラスの▲1.7となるなど、3業種でDI値が改善した。
◇来期(7-9月期)の見通しは1.1ポイントマイナスの▲3.0。アメリカの関税政策の影響が見通せず、国内消費意欲の低下を懸念する声が寄せられた。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○材料費、人件費、外注費が増加しているが、同業他社との競合もあり1割程度しか価格転嫁できず、採算は厳しい(建設業:タイル工事)
○取引先が自動車業界のため、アメリカの関税政策の影響を強く受けており、受注は7~8月まで止まっている(製造業:シミュレーション機器開発)


■付帯調査 ①「設備投資の動向について」

◇2024年度に設備投資を「実施した」と回答した企業の割合は、前年度(2023年度)と比べ0.3ポイント増の38.1%となり、「実施しなかった」は0.3ポイント減の61.9%となった。実施する目的では「業務効率化」(51.1%、6.6ポイント増)および「人手不足対応」(24.8%、3.9ポイント増)が増加しており、省力化に向けた投資が拡大。
◇2025年度に設備投資を「実施する」と回答した企業の割合は前年度と比べ3.2ポイント減の41.5%となり、「実施しない」は3.6ポイント増の38.6%となった。

<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○本社と現場の情報共有および経理部門の効率化のため、各種報告書類や給与ソフトをクラウド化した(建設業:土木/建築)
○新規設備を導入したことで、従来は自社で対応できず外注していた製品を自社で製造できるようになり、スピード感を持って対応ができるようになった(製造業:シャッター製造販売)


■付帯調査 ②「価格転嫁の動向について」

◇直近1年間のコスト増加分の価格転嫁について、「4割以上の価格転嫁が実施できた企業」は前年度(2024年度)と比べ3.6ポイント減の43.4%であった。
◇直近1年間の労務費・人件費増加分の価格転嫁について、「4割以上の価格転嫁が実施できた企業」は31.7%、エネルギー費用においては29.2%となり、全体コストと比較して、労務費・人件費、エネルギー費用は価格転嫁が進んでいない。
<中小企業の“生の声”>(抜粋)
○得意先と直接交渉しているが、用紙をはじめとする材料費の転嫁はしやすいが、毎年となる人件費等の増加分に対する転嫁は極めて難しい(製造業:印刷業)

集計結果

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
TEL 03-3283-7643