政策提言・要望

政策提言・要望

東京都の災害・リスク対策に関する要望について

2023年10月12日
東京商工会議所
地域振興部

 東京商工会議所(小林健会頭)は、災害・リスク対策委員会(委員長:山内隆司副会頭・大成建設(株)名誉顧問)において、標記要望を別紙のとおり取りまとめましたのでお知らせします。
 首都直下地震や激甚化・頻発化する風水害といった自然災害をはじめ、感染症やサイバー攻撃、紛争、テロ・ミサイル攻撃等、わが国を取り巻くリスクが多様化・複合化しているなかで、事業者においてはあらゆる危機事象に備えた対策が必要不可欠です。このような状況を踏まえ、本要望では、オールハザード型BCP策定の促進、ならびに有事を想定した危機管理体制の整備について新たに要望します。
 あわせて、関東大震災100年を契機とした首都直下地震対策としての太陽光発電・蓄電池・燃料電池の導入支援等電力の確保推進や、流域治水・広域避難の推進等の風水害対策、BCP策定・訓練の促進等による自助・共助の活性化、迅速かつ効果的な情報収集・共有に向けたデジタル活用等について要望しています。
 今後、東京都等の関係先に対して本要望の実現を働きかけていくとともに、引き続き、東京都と緊密に連携し、首都圏・東京における企業の災害・リスク対策促進に向けて取り組んでまいります。

東京都への要望事項

Ⅰ.重点要望項目 (新規)
1.オールハザード型BCP策定の促進
 ・オールハザード型BCP策定の必要性・重要性の周知
 ・従来型BCPからオールハザード型BCPへの転換推進

2.有事を想定した危機管理体制の整備
 ・ミサイル攻撃を想定したシェルターの在り方や設置基準等の検討およびシェルター整備促進
 ・緊急一時避難施設の周知および地下施設の指定加速化

Ⅱ.重点要望項目 (継続)
1.関東大震災100年を契機とした首都直下地震対策の展開
 ・太陽光発電や蓄電池、燃料電池の導入支援等電力の確保推進、通信ネットワークの整備、無電柱化、
  実効性ある帰宅困難者対策の推進、民間一時滞在施設のリスクを解消・低減する措置の実施、
  事業者が協力しやすくなる制度の確立等

2.頻発化・激甚化する風水害に備えた流域治水等の推進
 ・流域治水・高台まちづくりの推進、広域避難・垂直避難等大規模風水害対策の着実な実施

3.企業等の自助・共助の活性化、公助における民の力の活用
 ・BCP策定・訓練の促進(BCPに基づく行動をとるための実践的な訓練等)、企業や地域の防災力向上に
  資するリーダー人材育成、発災時における民間企業のノウハウ・資源の活用

4.迅速かつ効果的な情報収集・共有の実施
 ・災害・リスク対策におけるデジタル活用、防災情報の活用における官民連携促進、防災産業の育成、
  ハザードマップのユニバーサルデザイン化 

Ⅲ.継続要望項目
 ・迅速な復旧・復興活動に向けた体制整備(緊急輸送道路沿道建築物等の耐震化促進等)
 ・レジリエントなまちづくり(陸・海・空の主要な交通施設の強化等)
 ・災害・リスクに対する社会的意識の向上(女性や高齢者、子ども等多様な視点からの災害対策の推進等)

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
地域振興部
担当 都市政策担当
TEL 03-3283-7621