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中小企業・小規模事業者に対する「標的型攻撃」メール訓練実施結果

~訓練により事業者の情報セキュリティ意識は向上。メール開封率は 12.2%と年々減少。 サイバー攻撃の増加が懸念される中、高度化する攻撃にも対応できる体制構築が急務~

2023年2月17日
東京商工会議所
中小企業部

 東京商工会議所(小林健会頭)は、中小企業のデジタルシフト・DX 推進委員会(委員長:金子眞吾副会頭・凸版印刷会長)において、会員中小企業・小規模事業者を対象とする「標的型攻撃」メール訓練を実施し、結果をとりまとめましたので、お知らせします。
現在、企業や民間団体、官公庁等、特定の組織を狙う「標的型攻撃」サイバー被害が頻発しています。さらに、テレワークの普及、企業におけるデジタル化・DX の進展に伴い、企業を取り巻くサイバーリスクは増大しており、ひとたびサイバー被害が発生すれば経営に致命的なダメージを与える可能性があります。
この訓練は、上記のような背景に鑑み、中小企業・小規模事業者における情報セキュリティ意識の現状について広く周知すること、また、企業の経営者や担当者の意識向上と対策強化を促すことを目的に、実施したものです。2019 年度より開始し、今回で 4 回目となります。訓練結果の概要は下記のとおりです。
当所では今後も、同様の訓練や啓発セミナー、また「東商サイバーセキュリティコンソーシアム」の活動を通じ、中小企業・小規模事業者の情報セキュリティ意識向上に向けた周知・啓発に注力してまいります。

○「標的型攻撃メール」とは?
特定の組織やユーザー層にターゲットを絞り、悪意のあるファイルの添付やサイトへ誘導するための URL リンクを貼り付けたメールを送信し、電子端末をマルウェアに感染させようとする攻撃のこと。最終的に業務上取り扱っている重要情報や個人情報等が盗まれ、経済的な損失はもちろん、顧客や取引先等からの信頼も大きく損なう可能性があり、企業にとって警戒すべきサイバー攻撃である。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表した「情報セキュリティ 10 大脅威 2023」における組織の脅威順位は以下のとおり。
1 位:ランサムウェアによる被害 2位:サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃 3位:標的型攻撃による機密情報の窃取

<実施概要>

●調査期間:2022 年 12 月 13 日(火)から 12 月 25 日(日)まで
●調査方法:東京商工会議所から訓練対象者のメールアドレスに「標的型攻撃メール(訓練用)」を送信。
訓練対象者がメール本文内の URL をクリックした場合に「開封」としてカウント。
●調査対象:東商会員企業(従業員 300 名以下)の経営者・従業員(公募) 申込社数:103 社 申込人数:811 名
※当訓練は、東日本電信電話株式会社(NTT 東日本)が提供するサービスを利用。

【訓練メールの開封状況】

○当訓練全体開封率:12.2%(実施人数:811 名、開封:99 名)(☞別添資料 P2)
昨年度と比較して 3.1 ポイント低下した。(参考) 2019 年度 25.4% → 2020 年度 24.0% → 2021 年度 15.3%
〇従業員数別開封率(☞別添資料 P3)
最も開封率が高かったのは「51 名以上」の 16.1%、最も開封率が低かったのは「6-20 名」の 6.2%であった。
〇業種別開封率(☞別添資料 P4)
最も開封率が高かったのは「不動産業」の 20.0%、最も開封率が低かったのは「運輸業」の 0.0%であった。
○訓練対象者役職別開封率(☞別添資料 P5)
「経営者・経営幹部」の開封率は 2.2%と昨年度より 8.4 ポイント低下、他の役職区分より著しく低かった。

「東商サイバーセキュリティコンソーシアム」

当所は、サイバーセキュリティ対策の普及促進を展開する企業と連携し会員企業のセキュリティ強化を目指す「東商サイバーセキュリティコンソーシアム」を 2021 年 7 月に発足。当所「ぴったり DX」のウェブサイト等を通じて、サイバーセキュリティ対策を総合的に支援するサービスの提供をしています。来る 3 月 6 日には【育て「サイバー人材」、進め「セキュリティ対策」】と題し、セミナーおよび相談会を開催いたします。(☞別添資料 P10)

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
中小企業部
担当 高橋・松浦・三上
TEL 03-3283-7624