株式会社ホープン(本社:世田谷区南烏山、社長:結城 俊一)は印刷業を祖業とし、教育関連企業向けのアウトソーシング事業やデジタルコンテンツ制作、印刷製品のOEM制作など様々な事業を展開する企業です。創業54年を迎えた2024年9月に、株式会社プリントボーイから社名を変更。世の中のデジタル化とともに変化する顧客の要望に対応するため、同社も積極的にデジタルシフト・DXに取り組んでいます。


デジタルシフト・DXの取り組み、効果

 同社事業の一つに、全国各地の文具店やバラエティショップ等での年賀状受注サービスがあります。従来は店頭にアルバイトスタッフが常駐し、手書き伝票で注文を受けていましたが、業務の属人化や、スタッフの人員確保・研修に要する工数増といった課題に対応すべく、DX・省人化に着手しました。

 まず、手書き伝票のスキャンto PDF、ならびにAI-OCRを活用したデータ化を実施。複数名で行っていた注文内容の入力作業が大幅に削減されました。
 デジタル化による業務効率化の光明が見えたことから、ITベンダーと連携し、料金見積もりの自動計算システムの設計に着手。デザインや絵柄、仕様や枚数、割引等の膨大なオプションにも対応した仕組みを構築し、伝票からタブレットでの注文に移行しました。これにより、入力情報によって料金が自動算出されるため、料金計算の人的ミスも削減。アルバイトスタッフによる料金計算の手間もなくなり、求められるスキルが標準化されたことで、スタッフ採用の幅が広がりました
 また、ユーザー認証機能を設けることで、顧客が希望すれば次回以降も同じ注文データを使用できるようになり、結果としてリピーター獲得に寄与。さらに、一部店舗では一歩進んだ省人化として、売り場に注文用のタブレットとカメラのみを設置し、店頭を無人化、必要に応じて工場のスタッフが遠隔でサポートするといった試みも進めています。
 これまでの流れをガラッと変える取り組みにより、業務効率化・省人化による人件費削減はもとより、人的ミスやトラブル対応にかかっていた膨大な残業時間が大幅に削減され、投資以上に効果を実感していると言います。

売り場のタブレットで無人注文を可能に。必要に応じてスタッフが遠隔サポート


風土醸成・人材育成に向けた取り組み

 その他にも、RPA(ソフトウェアロボットによる業務自動化)、BPO事業に付随した在庫管理のデジタル化、AIを活用した入稿データと印刷物の自動照合・検査システムの活用など、全社を挙げてDXに取り組む同社。eラーニングや社長主導でのAI勉強会等によって社内の業務改善意識を高めるとともに、全社プレゼンで新サービスや業務改善のアイデアを募り、提案者にインセンティブを付与しつつプロジェクトとして率先して着手しています。適宜外部リソースを活用し、各社員が個別にベンダーへ問い合わせできるスピード感も強みです。

 「本業に集中できるよう、現場を如何に楽に・早く・手間なくできるようにすること、社員が躊躇して踏み切れない場合には経営者主導で推し進めることが重要。時には失敗することもありますが、“打席”にたくさん立つことを心掛けています」と強調する結城社長。クライアントの要望に応えるだけでなく、その先にいるエンドユーザーや時代の変化を迅速に捉え、対応できるような組織づくりに取り組んでいきたいと話してくれました。


お話を伺った結城社長(左)、同社執行役員 佐野氏。
本社併設の撮影・編集スタジオ「ICHIGO ICHIE DIGITAL」にて




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