会頭コメント

会頭コメント

内閣改造(福田改造内閣)について

2008年8月1日
東京商工会議所

実力者を要所に配しつつ、清新さも加味されたバランスのとれた重厚な内閣が発足したことを歓迎する。政策の継続性にも配慮が見られ、政権浮揚への福田総理の意気込みが感じられる顔ぶれである。
  新内閣の課題は多い。地球規模の環境問題、不透明さを増す世界経済、グローバルに深刻な問題となりつつある食糧危機など、世界全体の大きな構造変化の中で、国民が将来に安心の持てる持続可能な社会保障制度の確立や、経済成長とのバランスに意を用いた環境問題への果敢な取り組みはもとより、原油・原材料高などで苦境に喘ぐ中小企業への支援が特に急がれる。さらに交通基盤の整備や地方分権改革などを通じて、地域の再生を図ることも新内閣の大きな優先課題である。
  また、ここへ来て陰りが見えてきた景気を、来年度の税制改革や予算編成を通じて着実に回復軌道に乗せることが重要であり、産業の活性化、特に中小企業の底上げに実効ある支援策が打ち出されることを期待したい。内需に支えられた景気浮揚こそが財政再建への近道であり、成長を維持することが雇用の拡大や、対外的な信頼の回復にも繋がっていくだろう。福田総理のリーダーシップにあらためて期待を表明したい。
  いずれにしても内外の政策課題が山積しているので、与野党とも国民の目線に立った政策本位の真摯な議論を期待する。

以上