会頭コメント

会頭コメント

オバマ米国新大統領の就任について

2009年1月21日
東京商工会議所

オバマ米国新大統領の就任を心から歓迎する。米国民のみならず、閉塞感に陥っている世界中の期待を一身に受け、アフリカ系アメリカ人として初めてアメリカ合衆国の大統領に就任されるオバマ氏は、新しい時代のリーダーにふさわしい方だ。米国経済の再生、そして新たな世界秩序の構築に向けて強いリーダーシップを発揮されることを大いに期待する。
 新大統領は、2年間で300万人の新たな雇用を創出するという公約を掲げられたとおり、まずは経済危機からの脱出、経済再生と雇用創出に全力を挙げてほしい。大規模な公共投資と合わせ、グリーン・ニューディールなど新産業創出に向けた政策が実行に移されれば、冷え込んだ消費者心理も改善し、焦点の住宅価格も年内には底を打つことが期待される。
 一方、米国は世界の安全保障に大きな責任を担っている。テロとの戦いをどう引き継いでいくのか、緊迫する中東和平や東アジアの平和と安定、そして貧困の克服や地球温暖化への緊密な協調行動など、これまでの単独主義から対話と協調路線への転換を表明されたオバマ大統領の手腕に期待したい。
 わが国としても、日米同盟・協調関係の一層の発展を視野に置いて、新政権の経済再建と歩調を合わせた景気対策を実行し、併せて新産業分野の創出など次代を見据えた産業政策の構築につとめてもらいたい。
 いずれにしても、オバマ大統領の登場は、新しい時代の幕開けを予感させるものだ。重量級の顔ぶれとなった新政権が新大統領のリーダーシップの下に難局を乗り越え、十二分の成果を上げることを希望する。

以上