会頭コメント

会頭コメント

野田総理施政方針演説について

2012年1月24日
東京商工会議所

 野田総理の施政方針演説で180回通常国会がスタートした。総理が「大震災からの復旧・復興」「原発事故との戦い」「日本経済の再生」を最優先課題とされたことは、当所をはじめ国民共通の認識であり、特に、福島の再生なくして日本の再生がないことは明らかである。
 復旧・復興にあたっては、被災地のニーズを踏まえ、それぞれの状況に合わせた産業・経済の復興、特に雇用の創出に最大限の努力をお願いする。

 最大の焦点である社会保障と税の一体改革については、全体をパッケージとした改革を進め、税と保険料と自己負担、および給付と負担のバランスを見直し、持続可能性を確保することが何より重要である。特に社会保障制度については、今後制度の各論について検討が進むことになるが、徹底した給付の重点化・効率化の点を含めて注視し、意見を申し述べたい。
 一体改革は、わが国の将来を左右する最も重要な課題であり、改革の工程を明確にし、党派を超えた議論をお願いしたい。

 わが国経済を再び成長軌道に乗せるため、新成長戦略の実行の加速と日本再生戦略の策定・実行を強力に進めていただきたい。その際には、創業支援をはじめ、科学技術立国としての研究開発投資の促進や、TPP交渉への参加を含む質の高い経済連携の推進などをお願いしたい。特に、成長のエンジンである中小企業の強化策を国家戦略の柱のひとつに目に見える形で打ち立てていただくことを強く希望する。

以上