会頭コメント

会頭コメント

安倍総理の消費税引き上げ時期の再延期表明について

2016年6月1日
東京商工会議所

 本日、安倍総理が、消費税率10%への引き上げ時期の再延期を表明されたことは、世界経済が下振れリスクに直面しているという認識の下での判断とはいえ、残念である。
 商工会議所は、予てから社会保障制度の持続のためには消費税率の10%への引き上げが必要であると主張してきた。わが国が「人口減少と超高齢化の加速」という構造的課題に直面する中で、少子化対策の実行のためにも、消費税の引き上げは必要である。
 社会保障給付の一層の重点化・効率化を徹底するとともに、平成31年10月の税率引き上げが確実に実施できるよう、経済環境の整備を進めていくことが重要である。
 また、税率引き上げの再延期とあわせて、経済対策が講じられることが表明されたが、例えば真に必要なインフラ整備や少子化対策の加速など、将来の成長率を高める分野に重点をおくべきである。
 今、わが国に必要なのは、わが国経済が成長する実力を示す潜在成長率を高めることである。そのための施策は、日本再興戦略やニッポン一億総活躍プランなどに網羅されている。政策メニューは出揃っているので、安定した政権の下で、それらを迅速に実行に移していただきたい。

以上