政策提言・要望

政策提言・要望

「平成28年度税制改正に関する意見」について

2015年9月4日
東京商工会議所
産業政策第一部

 東京商工会議所(三村明夫会頭)は、本日開催の第675回常議員会にて、税制委員会(委員長:田中常雅副会頭・醍醐ビル社長)がとりまとめた標記意見を決議しましたので、お知らせします。
 意見書は、わが国の潜在成長率の引き上げに向け、中小企業の資本蓄積や生産性向上に向けた取り組みへの後押しが不可欠という考え方にもとづき作成しております。
 具体的には、「中小企業のイノベーションの促進を支援する法人税改革の実現」や、「消費税引き上げに伴う課題」、「女性の活躍推進・子育て世代の支援に向けた制度の見直し」、「円滑な事業承継に向けた抜本的な見直し」等を主張しています。
 詳細につきましては別添資料をご覧ください。

<主な内容>

Ⅰ.中小企業のイノベーションの促進を支援する法人税改革の実現

・中小企業は多様な人材の雇用の受け皿となり、地域経済の中核的な役割を果たすとともに、新たな産業を創出する苗床の役割等、産業の担い手として日本経済に大きな役割を果たしている 
・中小法人課税のあり方を考えるにあたっては、中小企業の実態や特性を踏まえ、中小企業基本法をはじめ中小企業政策との整合性を合わせて、支援対象を検討すべき。その際、生産性向上等の成長に向けた取り組みの後押しなど、地域を支える中小企業の活性化を図ることが不可欠
・外形標準課税の中小企業への適用拡大は、地域経済に甚大な影響を及ぼすことから断固反対
・減価償却の定額法への統一は、中小企業の経営に多大な影響を与えるため反対

Ⅱ.消費税引き上げに伴う課題

・消費税率10%への引き上げは、持続可能な社会保障制度確立のため必要
・円滑な価格転嫁に向けた実効性の高い対策の継続、外税表示の恒久化
・複数税率は逆進性対策として非効率である一方、社会保障財源が大きく失われ、国民に別の形で負担を強いることから導入すべきでない。低所得者対策はきめ細かな給付措置で対応すべき
・インボイスの導入は、飲食料品を取り扱う事業者に限らず全ての事業者に対して消費税の経理・納税方法の変更を強いるものであり、広範囲に影響が及ぶため、断固反対

Ⅲ.女性の活躍推進・子育て世代の支援に向けた制度の見直し

・配偶者控除等の見直しにあたっては、多くの子育て層が含まれる低所得世帯の負担軽減のため、基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除を一本化し、税額控除制度に移行すべき

Ⅳ.円滑な事業承継に向けた抜本的な見直し

・事業承継税制の抜本的な見直し(発行済議決権株式総数2/3要件を100%へ拡充等)
・円滑な事業承継の大きな阻害要因となっている、取引相場のない株式の評価方法の見直し

Ⅴ.中小・中堅企業の生産性向上・成長に資する税制

・中小企業の生産性向上に資する設備投資を後押しする税制の延長

Ⅵ.東京都に対する意見

・地方創生を牽引する首都東京の活力強化に向けた税制

以上
【本件担当・問い合わせ先】

東京商工会議所
産業政策第一部
担当 白井、棚澤、大山
TEL 03-3283-7844