会頭コメント

会頭コメント

「日本経済再生に向けた緊急経済対策」の閣議決定について

2013年1月11日
東京商工会議所

 「日本経済再生に向けた緊急経済対策」の決定を歓迎したい。①復興・防災対策、②成長による富の創出、③暮らしの安心・地域活性化、の3分野の施策は、いずれも日本商工会議所が昨年末から安倍内閣に要望してきた考え方と軌を一にしており、景気回復の原動力として、「外需を取り込み、内需を掘り起こす」成長戦略への道筋ができるものとして期待している。
 特に、中小企業・小規模事業者支援や地域活性化に手厚い配慮がなされている点を評価したい。科学技術分野についても、数千億円規模の予算が重点配分され、成長産業への戦略的投資やイノベーション推進の加速につながるものと期待する。さらには、円高・エネルギー制約に対応した先端設備投資・中小企業のものづくり支援補助金の創設も、新たな投資や製品開発等を後押しする大きなインセンティブとなろう。
 緊急経済対策を裏付けする大型補正予算のうち、半分近くが公共事業に投入されるとのことであるが、施策の内容をみるといずれも、防災や減災といった安心・安全の観点から真に必要とされ、次世代が経済効果を享受できる社会資本整備であり、後退局面にあるとされる我が国経済の景気浮揚にも即効性が期待できる、時宜に適った決定である。
 財政が厳しい中での大型補正予算であることから、緊急経済対策の効果を最大限に引き出し、持続時な成長に確実につなげていくことが極めて重要であると考える。安倍総理が掲げている「強い経済を取り戻す」ため、中小企業戦略や地域経済の再生を含め、早期に骨太な成長戦略の策定と実行を是非ともお願いしたい。商工会議所としても、具体的な提言を行っていく所存である。

以上