政府税制調査会の「中期答申」について
東京商工会議所
1.現下のわが国の最優先課題はデフレからの早期脱却であり、そのために、あらゆる政策手段を講じる必要がある。しかしながら、中間答申は、所得税や消費税の増税による税収の確保を優先した景気抑制的なものとなっており、到底賛成できない。
答申は中長期的観点に立つものとされているが、デフレ脱却の展望や今後の社会福祉のあり方が明確になっていない段階で、このような答申がなされることは、デフレ下で経営難や生活難にあえぐ国民の不安を一層増幅し、デフレをより一層加速させるものである。
デフレを解消し、経済社会の活力を増進するためには、景気にマイナスの影響を及ぼすような増税論議ではなく、法人税の基本税率の引き下げや、住宅税制の拡充など需要創出につながる税制改革を行うべきであることを明確に打ち出してほしかった。
2.消費税について、答申では、将来的な課題ながら二桁の税率に引き上げることも必要としているが、国・地方を通じた行財政改革や社会保障制度改革についてほとんど議論がなされないまま、大幅な消費税率の引き上げに軽々に言及していることは納得できない。
3.環境問題の解決にあたっては、「環境と経済の両立」が前提である。したがって、環境税の導入は極めて慎重な検討が必要であり、まず環境税ありきとする議論には絶対反対である。